AI(人工知能)画像認識技術を開発する米スタートアップのHelm.aiは2022年12月23日までに、自動運転車向けソフトウェアプラットフォーム開発を目的とした、3,100万ドル(約41億円)の資金調達を完了したことを発表した。
今回のシリーズCラウンドは、民間投資・資産管理会社の米Freeman Group主導のもと、日本のホンダやベンチャーキャピタルの米ACVC Partners、GoodyearのベンチャーキャピタルファンドGoodyear Ventures、韓国の自動車部品メーカーSungwoo Hitechなどが参加している。ホンダにとっては追加投資という形となる。
■資金を研究開発費や商業化に投下
Helm.aiは、今回調達した資金を研究開発費に充てる予定だ。そのほか、商業化への取り組みへも資金を投入していくという。
Helm.aiは、「教師なし学習」を飛躍的に進歩させる技術・手法として「Deep Teaching(ディープティーチング)」を導入している。この技術により、ハードウェアに依存しない形で、OEM(完成車メーカー)やティア1に高性能のAIソフトウェアを提供することができるという。
そしてこのことにより、各社は製品の市場投入が迅速化し、ハイエンドADASやレベル4の自動運転システムとの差別化が可能になるとしている。
同社CEO(最高経営責任者)のVladislav Voroninski氏は「今回の資金調達により、自動運転やロボティクスアプリケーション向けのAIの提供が増え、最先端のAIソフトウェアの商用化を加速させる」とコメントしている。
なお、ホンダは2021年のシリーズBラウンドから出資に参加している。シリーズBでホンダは、公表されている出資メンバーでは唯一の完成車メーカーであった。今回のシリーズCラウンドでも、公表されている出資者の中では、完成車メーカーはホンダのみだ(※非公表の中にほかの自動車メーカーが含まれている可能性もある)。
■数学者Voroninski氏が2016年に創業
Helm.aiは、ロシア系米国人である数学者のVoroninski氏が2016年に設立したスタートアップで、米カリフォルニア州シリコンバレーに拠点を置く。
2020年にスタートした投資シードラウンドで1,300万ドル(約17億円)、2021年のシリーズBで3,000万ドル(約40億円)を調達し、今回のシリーズCで累計調達額は7,000万ドル(約92億円)を超えた。
同社は、2023年1月に米ラスベガスで開催される世界最大級の技術見本市「CES 2023」に出展し、最新のソフトウェアのライブデモを行い、一部の参加者には車内デモも提供するという。
今回の資金調達でさらに事業の加速が見込まれるHelm.aiに注目を。
▼Helm.ai公式サイト
https://www.helm.ai/
【参考】関連記事としては「「教師なし学習」で自動運転!ホンダも出資するHelm.aiの正体」も参照。