スイスのジュネーブで2022年6月21〜24日にかけて第187回「自動車基準調和世界フォーラム」(WP.29)の会合が開催され、自動運転や安全運転支援の技術に関連する国際基準の改正などが合意に至った。
自動運転や安全運転支援の技術に関連する国際基準の改正に向けては、日本はWP.29の自動運転分科会(GRVA)の副議長や、分科会の下に設置された専門家会議で議長を務めるなどし、議論を主導してきた経緯がある。
■上限速度の引き上げと車線変更機能の追加
今回合意された改正内容で知っておきたい内容としては、「上限速度の引き上げ」と「車線変更機能の追加」の2点だ。この2点について説明する前に、自動運転に関する国連の規則が形成されてきた経緯を簡単に振り返っておこう。
2020年6月に成立した国連協定規則では「自動運転レベル3の乗用車」に関し、「高速道路」「時速60キロ以下」「車線維持」が要件とされた。その後の2021年11月の改正で、対象が「乗用車」のみから「バスとトラック」も含まれるようになった。
それに続くのが、今回の2022年6月の改正の合意だ。これまで「時速60キロ以下」とされていた上限速度が「時速130キロ以下」に引き上げられ、車線については「車線維持」が求められていたが、乗用車に限っては「車線変更」も可能になった。
【参考】関連記事としては「自動運転の最高時速、欧州で60→130キロに緩和か」も参照。
■衝突被害軽減ブレーキシステムの基準改正も
ちなみに今回のWP.29では、トラックやバスなどの「衝突被害軽減ブレーキシステム」(AEBS)などの基準の改正も合意した。詳しくは以下の資料で説明されているので、興味がある人は目を通してみてほしい。
▼トラック、バス等の衝突被害軽減ブレーキシステム(AEBS)に関する国際基準改正の概要
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001487786.pdf
【参考】関連記事としては「自動運転と法律・ガイドライン」も参照。