UNECE(国連欧州経済委員会)のスポークスマンが、自動運転に関する規制が変わる可能性について言及した。欧州における「特定の交通環境における自動運転」の最高時速が60キロから130キロに引き上げられるという内容だ。
このことに言及したのは、UNECEスポークスマンのJean Rodriguez氏。最高時速が引き上げられれば、自動運転に関する規制が欧州で緩和されることになる。
ただし報道によれば、規制緩和に向けては2022年6月21〜24日にUNECEが主催する自動車基準調和世界フォーラムで案が採択される必要があるという。採択されれば、2023年1月に規制緩和のルールが発効するようだ。
UNECEによると、自動運転車の最高時速は2020年6月に採択された「自動車線維持システムに関する国連規則」で定められ、その後、各国における実情などを踏まえて今回の規制緩和の方針に至ったという。
■日本では最高時速120キロ以上に?
「自動運転車の最高時速」に関するトピックスは、日本においてもある。
例えばNEXCO東日本は次世代高速道路を目指すため、「自動運転社会の実現を加速させる次世代高速道路の目指す姿(構想) 」の中で、高速道路での自動運転車の規制速度の上限を緩和することを提言している。
具体的には、「規制速度の上限緩和(120km/h以上)」と明記されている。詳しくは自動運転ラボの記事「高速道での自動運転「上限120キロ以上」 NEXCO東日本が構想」も確認してほしい。
▼自動運転社会の実現を加速させる次世代高速道路の目指す姿(構想)
https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/cms_assets/pressroom/2021/04/28c/01.pdf
■速度緩和の流れ、世界的に広がる可能性
自動運転車が開発されている目的の一つに、手動運転で発生するようなヒューマンエラーによる事故を防ぐことがある。自動運転システムはわき見や居眠りなどをせず、スピード違反も犯さない。こうした安全性の高さから、自動運転車に対する速度上限を緩和する、という動きが出てきているわけだ。
国連が速度緩和の案を正式に採択すれば、こうした流れが世界的に一層広がっていく可能性が高そうだ。
【参考】関連記事としては「東京都、「自動運転レーン」の先行整備を検討」も参照。