イスラエルで2022年3月、完全自動運転による旅客移動サービスを試験的に展開することが可能となる法案が可決された。同国における自動運転タクシーの実用化に向け、一歩前進した形だ。
この法案の可決によって、インテル傘下のMobileye(モービルアイ)のロボタクシー事業が勢いを増すかもしれない。なぜならモービルアイはイスラエル企業であり、イスラエルの都市テルアビブで自動運転タクシーの商用化に向けて動いてきたからだ。
■旅客の無人輸送の試験走行を可能に
今回政府が可決した法案では、自動運転車を開発する企業や事業者が運輸省から特別なライセンスを取得することで、運転手に代わる自動運転システムを搭載した車両で、旅客を有料で輸送するための試験走行が可能になることが明記されている。
イスラエル政府は国全体で自動運転タクシーの試験を後押しすることで、この分野で他国をリードする狙いだ。
ちなみにイスラエルではすでに複数の企業が自動運転車の実証実験を行っており、法案では「イスラエルは自動運転車の技術開発において最前線にいる」という記載もある。
■「自動運転@イスラエル」に注目を
自動運転技術と言えば、欧米や中国、日本などが最先端というイメージを持つ人が多いが、イスラエルも負けていない。自動運転関連企業は多数存在しており、中でもモービルアイは一際目立つ存在だ。
【参考】関連記事としては「自動運転関連のイスラエル企業一覧(2022年最新版) スタートアップ含む20社まとめ」も参照。
イスラエルのエルサレムに拠点を構えるモービルアイは2017年にインテルの傘下に入り、その後、事業を積極的に拡大させている。現在では、従来から取り組んでいる自動運転向けの画像処理チップの製造だけではなく、自動運転による移動サービスの展開も模索中だ。
イスラエル、そしてイスラエル企業が、今後、自動運転分野でどれだけ存在感を一層高めていけるか、引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「Mobileye(モービルアイ)の自動運転戦略(2022年最新版)」も参照。