静岡県と掛川市はこのほど、東急やソフトバンクなどと協力し、映像伝送を活用した遠隔型自動運転の実証実験を2021年12月16〜22日に掛川市で実施することを発表した。
自動運転車は昼と夜に運行するが、夜間に公道で遠隔型自動運転を行うのは、全国で初めての取り組みになるという。LINEで乗車予約をできる仕組みにすることも特徴だ。
■「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」の一環
今回の実証実験は、静岡県の自動運転実証事業「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」の一環で行われるもので、スマートシティの実現を見据えた新たな移動手段の創出と観光の促進を目的としている。
実証実験では、静岡県伊東市にあるコントロールセンターから、掛川市と沼津市を走行する自動運転車両2台の運行状況をリアルタイムで遠隔監視し、必要に応じて車両を遠隔操縦する。
具体的には、ソフトバンクが提供するAI(人工知能)での画像解析エンジンを搭載したカメラ「AIカメラ」を運行ルート上に複数設置し、スタンドアローン方式の5Gの商用ネットワーク「5G SA」を活用しコントロールセンターへ映像伝達を行い、自動運転車両の安全な運行に活用できるかを検証する。
【参考】関連記事としては「自動運転の社会実装、目指すは2024年度!静岡県、今年度も実証、受託企業は東急」を参照。
■乗車予約は「LINE」で可能に
今回の実証実験の特徴の1つとしては、LINEを活用した乗車予約システム挙げられる。運賃は無料で、LINEの乗車予約システムを利用すれば誰でも乗車することができる。
実証実験では、自動運転のグリーンスローモビリティを活用した「かけがわチャ(茶)レンジ号」が使用される。乗車定員は8人だ。
ちなみにグリーンスローモビリティとは、電動で時速20キロメートル未満で公道を走る4人乗り以上の低速電動バスのことで、環境に優しく比較的導入もしやすい車両だ。
「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」は2024年までの自動運転の社会実装を目指している。今回の東急とソフトバンクの実証実験を含め、静岡県の取り組みから今後も目が離せない。
【参考】関連記事としては「グリーンスローモビリティとは?いち早い自動運転化に期待感」も参照。