東急株式会社(本社:東京都渋谷区/取締役社長:髙橋和夫)は2021年8月9日までに、静岡県が実施する自動走行実証事業「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」の2021年度事業受託者に決定したことを発表した。
静岡県は2024年度に自動運転技術を社会実装することを目指しており、この目標を達成するため、東急は名古屋大学やセキュリティシステム会社のソリトンシステムズなどと協働し、実証実験を実施していく。
■4町村で実証実験、「日本初」の取り組みも
東急と静岡県は2019年に3次元点群データ利活用に関する連携協定、2020年に企業研修誘致による地方創生の推進に関する連携協定、2021年に無人航空機の活用による地方創生の推進に関する連携協定を締結している。
また2020年12月には、伊豆高原駅付近で複数台の自動運転車両を遠隔監視・操縦する実証実験を実施した実績がある。
今回のプロジェクトでは、静岡県の松崎町と伊東市、沼津市、掛川市の4町村で実証実験が行われ、将来的に自動運転技術を使って過疎地域でのバス路線の維持や観光客のラストワンマイルの課題解消につなげていくことを目指す。ちなみに車両には保安要員が同乗する。
実証実験では複数台の自動運転車を走行させ、伊東市に設置された遠隔コントロールセンターから遠隔監視し、遠隔操縦が必要な場合には対応する。ちなみに1カ所の遠隔コントロールセンターから複数都市での遠隔操縦を行うのは「日本初」だという。
その上で、実証実験では以下の4つの項目を検証する。
- 信号情報との連携による交差点の安全な運行の実現
- AI監視カメラと仮設信号の設置による狭隘道路(※幅員4m未満の道路)での安全な運行の実現
- 一般車両との協調による安全な運行の実現
- 車内に案内システムの設置による乗客とのコミュニケーション円滑化
■実証実験の常連組による取り組み、成果に期待
今回の実証実験では、東急は全体の取りまとめと自動運転車両の提供、静岡県は全体の取りまとめと警察や関係者との協議を担う。名古屋大学は自動運転システムと車両の提供、ソリトンシステムズは遠隔監視・操縦システムの提供、タジマモーターコーポレーションは自動運転車両の製造を担う。
自動運転車両の遠隔監視や操縦、車両の保安要員は地域の交通事業者が、自動運転車両運行に関するリスクコンサルティングは東京海上日動火災保険と東京海上ディーアールが担当する。
各社とも、自動運転のほかの実証実験でもよく名前が登場する企業だ。実証実験でどのような成果が出るか、注目していきたい。
▼静岡県「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」
https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-570/20190822.html
【参考】関連記事としては「静岡県×自動運転、プロジェクト継続!トヨタWoven Cityも着工へ」も参照。