米Applied Intuitionが「ISO 26262」の認証取得 自動運転開発などに関する国際規格

テストケースセット「Applied Test Suites」を発表



出典:Applied Intuitionプレスリリース

米Applied Intuitionは2021年11月7日までに、同社が開発する自動運転システム開発のためのシミュレーションソフトウェア「Simian」が、国際規格「ISO 26262」の認証を取得したと発表した。

「ISO 26262」は、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムなどを含む自動車システムの開発に適用される機能安全に関する標準規格だ。


Simianは、ISO 26262の3段階の信頼レベルの最上位である「TCL 3」を取得した。Applied Intuitionのエンジニアマネジャーは「SimianのISO 26262認証は、当社のグローバルな顧客が安全で信頼性の高い自動運転システムを開発するのに役立ちます」と述べている。

■NHTSAなど指定するシーンや基準を再現

今回SimianがISO 26262の認証を取得したことを受け、Applied Intuitionは自動運転技術の検証・妥当性確認のためのテストケースのセット「Applied Test Suites」を発表した。

同社によると、Applied Test Suitesを活用することで「大量のシナリオライブラリを迅速に作成し、運行設計領域のカバレッジを高め、規制当局にシステムの安全性を証明することができる」(報道発表)という。

また、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)や欧州の自動車安全テストプログラム「Euro NCAP」、国連の下部組織である欧州経済委員会(UNECE)などが指定するシーンやテスト基準などを再現していることも、特筆すべき点だろう。


■自動運転システムを開発を支援するApplied Intuition

Applied Intuitionは米シリコンバレーに本社を置く企業で、アメリカ国内ではデトロイトやロサンゼルス、海外では東京やソウルなどにオフィスを構えている。世界各国で優秀な自動運転エンジニアを採用することに力を入れている。

自動運転システム自体を開発しているのではなく、エンジニアたちが自動運転システムをより早く安全に開発し、市場に投入するためのソリューションを提供しているApplied Intuition。同社の取り組みに引き続き注目していきたい。

【参考】関連記事としては「自動運転とは?技術や開発企業、法律など徹底まとめ!」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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