2020年の「自動運転」関連特許、トヨタは195件 公知日ベースで集計

ホンダは123件、海外製の中国・百度も74件に上る



2020年(公知日ベース)の日本における特許のうち、「自動運転」がキーワードとして入っている特許の中で「トヨタ自動車」が出願人のものが、195件に上ることが自動運転ラボの調べで分かった。


発明の名称としては「自動運転システム」や「車両制御システム」などが多く、車両をコントロールする「頭脳」に関連する特許が多い印象だ。

トヨタ自動車の特許情報は、工業所有権情報・研修館が運営する特許情報プラットフォームの公式ページ(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/s0100)から検索して閲覧することが可能だ。

自動運転レベル3を想定したとみられる特許

特許の内容は多岐に渡るが、自動運転と手動運転を切り替える際の判断やレーンチェンジを行う際の判断に関する特許なども多くある。

日本で解禁された「自動運転レベル3」(※国の呼称で言う「条件付自動運転車 ※限定領域」)では、自動運転システムから人へと運転の主体が切り替わるシーンがあり、自動運転と手動運転を切り替える際の判断に関する特許は、レベル3を想定したものと考えられる。


また、最近では実用化されつつある「自動駐車」に関する特許も多数あった。そのほか、MaaSサービスで自動運転車両を活用することを想定したとみられる特許も多くあり、トヨタが開発しているMaaS向け自動運転車両「e-Palette」で活用されるとみられる。

■海外勢の特許取得状況にも注目

自動車メーカーの中ではトヨタの特許が特に多い印象だ。一方、ホンダは123件、日産は22件となっている。

そのほか、KDDIなどの通信会社が出願人の特許もみられた。通信は自動運転に欠かせない技術で、今後もこうした企業からの特許出願も増えていきそうだ。

ちなみに、中国百度(バイドゥ)関連の企業の特許も74件あった。海外勢の特許が今後どれくらい増えていくかも今後の注目点と言えそうだ。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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