台湾の調査会社TrendForceがこのほど発表した市場調査レポート「赤外線センシング市場の動向(2021年)」によれば、「自動運転の目」の役割を果たすLiDARの世界市場は、2025年には29億ドル(約3,000億円)に到達するという。
同レポートによると、LiDARのニーズはADAS(先進運転支援システム)や自動運転車、産業オートメーション、デリバリーなどの分野で高まり、2020年以後は市場規模が年平均成長率(CAGR)34%で拡大していくとしている。
2025年の市場規模29億ドルのうち、自動車用LiDARが24億3,400万ドル(約2,500億円)を占めるとしており、配送や物流の分野でも自律型配送ロボットなどで搭載ニーズが伸びていくようだ。
■「主要な企業」として日本企業の名前も
このレポートではLiDAR市場における主要な企業として、米Velodyne Lidarや、米スタートアップLuminarが挙げられているほか、これから上場予定のイスラエルのInnoviz Technologiesや中国のHesai Photonics Technologyも取り上げられている。
Velodyne LidarとLuminarはすでに上場しているが、Innoviz TechnologiesとHesai Photonics Technologyも今年上場する計画があり、2021年はLiDAR企業により注目が集まる1年となりそうだ。
ちなみにLiDAR開発の主要企業の中には、日本企業の名前もある。浜松ホトニクスやオムロンなどだ。特にオムロンは車載センサーの開発を近年強化しており、2025年度における自動運転関連の売上目標を200億円規模と設定しているとの報道もある。
■2025年に数十億ドル規模となるのはほぼ確実?
LiDARの世界市場に関する調査としては、フランスのヨール・デベロップメントなども予測を発表しており、ヨール・デベロップメントは2024年には60億ドル(約6,200億円)まで市場規模が拡大するとしている。
このように各社の予測には多少のブレがあるものの、2025年にはLiDAR市場が数十億ドルに達することは確実とみられる。LiDAR市場がこのように有望な中、2021年以後もどのような新たな開発企業が登場するのか、関心が集まる。
【参考】関連記事としては「LiDAR市場、2024年に6600億円規模に 調査会社の仏ヨール社が発表」も参照。