「自動運転車の目」と呼ばれるLiDAR(ライダー)を開発する米スタートアップLuminarは2020年12月4日までに、自動運転やADAS向けの画像処理チップを製造するイスラエルのMobileyeに自動運転車用LiDARを供給するサプライヤー契約を締結したと発表した。
自動運転業界で存在感の高いプレイヤー同士の提携であり、2020年において業界でも大きなニュースの1つと言える。LuminarとMobileyeは2年前から開発契約を締結している。報道によるとLuminarはMobileyeへのデバイス共有で13億ドル(約1,360億円)以上の売上を得る見込みだ。
報道によると、LuminarのLiDARはMobileyeの第1世代の自動運転車に搭載されるようだ。Mobileyeは現在、自動運転車の試験走行をドバイやイスラエル、フランス、中国、韓国などで行っており、商業ベースの無人タクシー事業を2022年にも開始する計画だ。
ちなみにLuminarは現在、米ナスダック市場への上場準備を進めており、株式が公開されるとLuminarの時価総額は30億ドル(約3,100億円)以上となるとみられている。
■飛ぶ鳥を落とす勢いの2社の契約
Luminarに関するニュースは2020年も多かった。2020年5月には、LuminarのLiDARと認識システムが搭載されたボルボの自動車が2022年にも量産開始されることが発表された。LuminarのLiDARと認識システムを使い、高速道路用の自動運転システムを開発するようだ。
同年10月にはダイムラーのトラック部門がLuminarへの投資を発表した。高速道路を走行する自動運転トラックの生産するための協業の一部だという。
そしてインテル傘下で急速に存在感を高めているMobileye。自動車業界でも自動運転業界でも企業の協業は珍しいことではないが、飛ぶ鳥を落とす勢いのこの2社の契約は、2020年の目立つトピックスの1つになったと言えそうだ。
【参考】関連記事としては「年内上場へ!LiDAR企業の米Luminarとは?「自動運転の目」を開発」も参照。