自動運転分野からまた新たな上場企業が誕生しそうだ。米メディアの報道によると、自動運転車の「目」と呼ばれるLiDARを開発する米スタートアップLuminar(ルミナー)が、特別買収目的会社(SPAC)との合併によって米ナスダック市場に上場する見通しだ。
自動運転分野で注目を集めるルミナーとはどんな企業なのか、同社について紹介していく。
■米Luminarはどんな会社?
Luminarは現在25歳のオースティン・ラッセル氏が2012年に大学を中退して設立したベンチャーで、2017年には3600万ドル(約40億円)の大規模な資金調達に成功している。
ラッセル氏は16歳からアメリカの名門スタンフォード大学で物理学の研究に取り組んだ。在学中に数多くの光工学分野のプロジェクトに参加し、その経験が現在のLiDAR開発に生かされることになる。
米国の投資家ピータ・ティール氏が主催する若手起業家向け研究奨学金制度によりラッセル氏は大学を中退し、この研究奨学金を原資にLuminar社を創業した。
■完成車メーカーが認めるLuminarの実力
Luminarが開発しているのは低価格タイプのLiDARだ。低価格でありながら優れた解像度を誇り、トヨタ自動車も既に同社製LiDARの技術力を認め、すでに採用を決めているとされる。2019年7月には500ドル(約5万4000円)のLiDARを発売することを公式発表した。
2020年5月にはスウェーデンのボルボ・カーズと提携し、LuminarのLiDARと検知技術を次世代型のボルボ車に導入していくと発表した。2022年ごろから搭載が進んでいくようだ。
そしてLuminarはSPACとの合併という形で上場を果たそうとしている。SPACとの合併による上場は手続きが早く、低コストで資金調達・株式公開ができるのが特徴だ。上場によって同社の開発力はさらに高まることが考えられそうだ。
【参考】関連記事としては「「エンジニア系経営者」が自動運転業界を牽引!成長企業の共通点を探る」も参照。