ADAS(先進運転支援システム)の普及で車検制度が変化する中、自動車部品メーカー大手の独ボッシュの日本法人が、新たな取り組みをスタートさせる。
同社は2020年9月4日までに、カメラやレーダーなどの再調整作業(ADASエーミング作業)に優れた整備工場を認定する「ボッシュADASエキスパートサービスショップ」認定制度を開始したことを発表した。業界初の認定制度だという。
■新たにスタートした自動車特定整備制度
現在、自動ブレーキやレーンキープアシストなどをはじめとするADAS機能が新車の90%以上に搭載されている。こうした中、2020年4月に新たな「自動車特定整備制度」がスタートした。
新たな制度では、ADASのカメラやレーダーなどの「ゼロポジション」をシステムに正確に認識させる「ADASエーミング作業」も整備の対象となった。
ADASでは、単眼・複眼カメラやミリ波レーダーなどが検知した情報によって、車を制御している。そのため、システムが正確な「ゼロポジション」を認識していない場合、システムの停止や誤作動につながる危険性が示唆されている。
そこで重要となってくるのが、ADASエーミング作業の精度だ。
■ADASエーミング作業と認定制度
ADASのセンサー類は車の外装近くに搭載されているため、修理・整備を行う頻度は高く、それに伴いADASエーミング作業の回数も多くなる。
しかし、ADASエーミング作業を対象とする自動車特定整備制度はスタート間もないこともあり、ADAS搭載車の持ち主がADASエーミング作業に精通した整備工場を選ぶのは難しい。そこでボッシュが新たな認定制度をスタートしたわけだ。
ボッシュの認定制度は、「ボッシュADASエキスパート認定研修」を受講した上で審査を通過した整備工場を「ボッシュADASエキスパートサービスショップ」と認定し、認定ロゴを提供するというスキームだ。整備工場側は継続してボッシュの最新トレーニングなどを受けることができる。
車両のパーツや部品を作るだけではなく、こうした安全・安心のための取り組みも並行して行っているボッシュに、今後も注目だ。
【参考】関連記事としては「【最新版】ADASとは? 基礎知識や読み方などを徹底まとめ!」も参照。