2020年9月23日までに、自動運転技術開発のスタートアップである米Zoox(ズークス)が、カリフォルニア州で「セーフティドライバーなし」での自動走行車両の公道テストの許可を取得したと発表した。
2016年から「セーフティドライバーあり」の自動走行車両テストを認められていたZoox。今回の許可取得で州内の本社付近の一部の公道で、運転席にセーフティドライバーを乗せていない状態で自動走行車両2台のテストを実施することができることになった。
報道によれば、小雨や霧といった天候での走行も認められていて、時速約72キロまで出すことが可能だという。
これまで、全部で60社がカリフォルニア当局から「セーフティドライバーあり」での自動走行車両テストの認可を取得しているが、「セーフティドライバーなし」で許可されているのは、AutoX(オートエックス)とNuro(ニューロ)、Waymo(ウェイモ)だけだった。
■自動運転技術開発スタートアップ企業「Zoox」とは
Zooxは、2014年に米スタンフォード大学出身の技術者らによってシリコンバレーで設立された。自動運転のソフトウェア開発を手がけており、将来的にはロボタクシー車両を展開することを目指している。技術者の中には、アップルやテスラ出身のエンジニアも多い。
2020年6月には、ECサイト世界大手のアマゾンに買収されたことが発表された。英有力紙フィナンシャル・タイムズによると、買収額は12億ドル(約1,300億円)以上に上る。
アマゾンにとってこの買収は無人宅配を実現させたい狙いがあるのはもちろんだが、将来自動運転タクシー事業に参入する可能性もあるとも考えられるとされている。
■今回の許可は「重要な節目」、事業さらに加速へ
Zooxの最高安全責任者のマーク・ローズカインド氏は今回の許可について「重要な節目」と強調している。完全無人での実証実験は技術や安全性を高めるために必ず必要なステップで、AmazonとZooxの事業展開を加速させることになりそうだ。
【参考】関連記事としては「Amazonに「自動運転タクシー事業」参入の可能性浮上 Zoox買収の狙いは「宅配」だけ?」も参照。