世界初の取り組みに挑戦する自動運転の実証実験が、首都高速道路で2020年3月16日から始まっている。一般道からETC(自動料金収受システム)ゲートを通過し、高速道路に合流するまでの区間を合流支援情報などを活用しながら自動運転車で走行するというもので、インフラ協調型で自動運転車が安全に走行できるか検証する。
この取り組みは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」において行われるものだ。実証の主な舞台となるのが羽田線空港西インターチェンジで、本線を走行する車両に関する情報やETCゲートの開閉に関する情報を自動運転車に提供する形で実施される。
SIP第2期「自動運転」の管理法人を務める国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)は、「高速道路から一般道へ自動運転の領域の拡張を加速させ、より安全で快適な自動運転を実現可能とする走行環境の構築を目指します」としている。
NEDOは実証実験で使用するインフラ機器として、路側センサーと路側無線装置について下記のような資料を公表している。
■SIP第2期での取り組み概要は?
SIP第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」では、ドライバー不足の解消や高齢者など移動難民の足の確保、交通事故や交通渋滞の削減など、日本が抱える交通課題に産学官共同で取り組んでいる。2019年10月から開始している臨海副都心地域の公道での実証実験では、信号灯火色情報などを交通インフラ側から提供し、有効性を検証している。
2020年度末までには、羽田空港で自動運転技術を活用した実証実験も実施する予定だ。東京オリンピック・パラリンピックに先駆け、今年7月には日本自動車工業会と連携して一般の人が自動運転車を試乗できるイベントも開催予定だ。
【参考】関連記事としては「SIP第2期の自動運転実証が東京臨海部で順次開始、その全容は?」も参照。