中国の大手自動車メーカーの重慶長安汽車は、自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の車両を2020年3月から量産すると発表した。同社は報道発表で「中国初」としている。
時速40キロ以内の渋滞時に車の自動運転を実現し、運転手の手・足・目を運転操作から解放するという。長安汽車は自動運転レベル4(高度運転自動化)の車両については、2025年までに販売を開始するとしている。
■中国とアメリカで実績積み上げ
長安汽車は中国とアメリカで自動運転実証の実績を積み上げ、ライバル企業がひしめく中で一定の存在感を示している。
2016年には重慶から北京までの2000キロのルートで自動運転テストに成功し、大きな注目を集めた。その翌年の2017年には、米ライドシェア準大手「Lyft」とカリフォルニア州の公道で実証を開始している。
2019年2月には自社開発の自動運転車55台で世界最長のパレード走行を行い、ギネス認定を受けた。このパレードでは各車両が最大時速30キロで3.2キロを走行し、セーフティードライバーが乗車していたものの運転は自動で行われた。
■レベル3搭載車の開発、世界で激化
自動運転レベル3を搭載する車両の開発競走は、いま激化一辺倒だ。既に独アウディがレベル3の機能を搭載した「A8」を発表しているが各国における規制から本格的なデビューはこれからで、長安汽車をはじめ自動車メーカー各社がアウディに負けじとレベル3車両の開発に力を入れている。
日本では道路交通法などの改正によって2020年4月に自動運転レベル3が解禁されることになっており、ホンダは夏にレベル3搭載車の発売を開始する計画のようだ。ほかの日本メーカーの動きも気になるところだ。
【参考】関連記事としては「自動運転技術(レベル3以上)の搭載車両は?」も参照。