機械学会技術賞、クボタの自動運転アシスト機能付きコンバインなどに決定

熟練者不足の農家を支えるスマート農機



自動運転アシスト機能付きコンバイン「WRH1200A」=出典:日本機械学会プレスリリース

一般社団法人「日本機械学会」(所在地:東京都新宿区:会長:森下信)は2020年3月6日までに、2019年度の日本機械学会賞(技術)の受賞技術を発表した。受賞技術には、株式会社クボタ(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:木股昌俊)の「自動運転アシスト機能付きコンバインの開発」も含まれている。

同賞は、日本の機械工学に関する最先端の研究・技術やそれらを応用した製品などに贈られる賞となる。「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的として、1958年度から始まった。


なお、クボタが受賞した「技術」枠は全5件となる。他には日産の「アクティブトルクロッドの開発」やトヨタの「超高塗着エアレス塗装技術」などが名を連ねた。

■「RTK-GNSS」を活用、誤差を最小限に

受賞技術となった「自動運転アシスト機能付きコンバインの開発」はどのようなものだろうか。

まずコンバインとは、稲や麦などの収穫と同時に脱穀を行う農業機械である。従来のコンバインは操作にスキルが必要であり、操作には熟練の技も求められた。そこでクボタ社は誰でも簡単に操作できるよう、業界初の「RTK-GNSS」を利用した自動運転アシスト機能付きコンバインを開発した。

RTK-GNSSとは、「RTK」(リアルタイムキネマティック)と、衛星を用いた測位システムの「GNSS」(汎地球測位航法衛星システム)を組み合わせたものである。一般的なGNSSでは数メートル程度の誤差が生じるが、測位精度の高いRTKと組み合わせることにより、誤差は数センチメートルまでおさえられる。


自動運転アシスト機能付きコンバインは、安全監視のために人が搭乗する必要があるものの、基本的に運転操作は不要だ。人材不足を課題とする農家が多い中、同社のコンバインを導入することで省人化につなげることができる。

■「スマート農業」は日本の農業の持続のカギ

少子高齢化が加速する日本では、「スマート農業」は日本の農業を持続していく上でのカギの一つだ。そこで活躍が期待されているのが自動運転農機。クボタの自動運転アシスト機能付きコンバインへの注目は、ますます高まっていきそうだ。


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