自動運転タクシーの商用サービスで知られる米Google系Waymo(ウェイモ)は2020年1月29日、米物流大手UPSとの小荷物配送におけるパートナーシップ事業について発表した。
自動運転タクシーを現在展開している米アリゾナ州フェニックスにおいて、クライスラーのミニバン「パシフィカ」を自動運転仕様に改造した車両を使い、UPSが扱う小荷物の配送を試験的に行うというものだ。
一般顧客向けの配送ではなく、UPSの拠点から配送センターまでの小荷物の配送を担う形となる。こうした仕組みをウェイモは「Waymo Driver(ウェイモドライバー)」と名付け、今後商用化に向けて実績を積み上げていくものとみられる。
UPSは自動運転車両を配送に活用する取り組みに積極的だ。これまでに自動運転トラックを開発するスタートアップ企業の米TuSimpleに出資したことが明らかになっており、既に自動運転トラックを使った配送実証にも取り組んでいるようだ。
■自動運転技術といかにうまく活用するか、という視点
「自動運転」といえば、技術やサービスの開発側に注目が集まりがちだ。ただ今後はUPSのように自動運転技術をうまく活用している企業にも着目していきたいところだ。
自動運転技術をうまく導入できれば、事業コストの削減や事業効率の向上が期待できる。そしてこうした点は業界における競争力強化にもつながる。つまり自動運転技術をうまく活用できれば、競合他社と大きな差をつけることができるわけだ。
そういう意味でもUPSのように積極的に自動運転技術の活用に取り組んでいる企業は、多くの企業が見本にするべきだと言える。
【参考】関連記事としては「米物流大手UPS、自動運転トラック開発のユニコーンTuSimpleへ出資」も参照。