MONETコンソーシアムのMeet UPの内容まとめ MaaS、広告、新ビジネスなどテーマ

過去に4回開催、盛んに意見交わす



出典:MONET Technologiesプレスリリース

モビリティ業界の革新に向けた仲間作りなどを目的として設立された「MONETコンソーシアム」は、コミュニティイベントとして過去に4回の「Meet UP」を開催している。

世界のモビリティスタートアップ事情やMaaSによる地域課題の解決、MaaSと広告ビジネスなどをテーマに盛んに意見が交わされ、MaaS時代の到来に向けて参加者たちがさまざまなアイデアを出したようだ。


この記事ではMONETコンソーシアムの過去のMeet UPの内容を一挙に紹介する。

■そもそもMONETコンソーシアムとは?

ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社であるMONET Technologiesによって、2019年3月にMONETコンソーシアムは設立された。モビリティ業界における革新を加速させるため、企業間の連携を促進する取り組みだ。東日本旅客鉄道やヤフー、paypayなど、設立当日で既に88社がMONETコンソーシアムに参加していた。

MONETコンソーシアムでは「次世代モビリティサービスの推進」と「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」の2つを目的とし、自動運転を見据えたMaaS事業の開発と普及に向けた環境整備や、MaaSオープンプラットフォームの構築をさまざまな業種のサービス事業者とともに取り組んでいる。

勉強会や情報公開の開催、自治体との接点として機能することで将来的には政府に対する提言をまとめる活動も行う予定だという。さらに、MaaSオープンプラットフォームでは分野を超えたビジネスマッチングなどの「サービス事業企画」や「車両企画」、「データ企画」の3つの企画を進めている。


2019年6月にはMONETコンソーシアムの第1回総会が行われ、約280社から約600人が参加した。同年7月には参加企業は300社を超え、同年8月時点での加入企業数は当初の4倍以上である355社に上る。

■第1回Meet UP:激動の世界スタートアップ事情を語る!

2019年7月10日に行われた第1回Meet UPには、plug and Play日本支社でモビリティ部門の長を務める江原伸悟氏が、世界のモビリティ分野のスタートアップ事業について講演し、41社が参加した。

講演は「新しい世界では、小さな魚を食べるのは大きな魚ではなく、速い魚が遅い魚を食べるのです」(Klaus Shwab Founder and Executive Chairman, World Economic Forum)といったフレーズの引用からスタートした。シリコンバレー初の大企業とスタートアップによるオープンイノベーションプラットフォームについて説明し、モビリティ分野の大企業が集結するシリコンバレーやイスラエルにおけるスタートアップとの協業の成功事例が紹介された。

講演後半には「大企業の新規事業開発に向けた挑戦」と題して実践的な話を展開。事業開発での重要ポイントや、事業化に向けたPoCから始まる検証ステップや必要なアクションなどについて説明した。


■第2回Meet UP:無限の組み合わせを持つLEGOブロックを活用!

2019年7月24日に行われた第2回Meet UPでは、短時間で業種や職種の垣根を越えてMaaSを語るための象徴的な共通言語の構築や、よりクリエイティブな発想で参加者が楽しめるサービスをカタチにしていくために、LEGOの「LEGO SERIOUS PLAY」を使ったワーキングセッションが行われた。36社が参加した。

「LEGO SERIOUS PLAY」はNASA(米国航空宇宙局)やGoogleで採用されているワークショップで、参加者はLEGOで作品を作り、作品で表現したアイディアを物語形式で発表し共有するというもの。

今回のワーキングセッションでは、参加者の所属する企業が3〜5年後に提供したいモビリティサービスをLEGOで表現し、なぜそのカタチに至ったのかを共有した。その後5つのグループに分かれ、各社の作品を統合して多種多様な「グループのメンバーでつくるワクワクするモビリティ社会」を表現し、参加者同士で未来のモビリティ社会を共有した。

■第3回Meet UP:MssSの推進によって地域課題に立ち向かう!

2019年8月28日に行われた第3回Meet UPは、自治体が抱える課題を解決したいと考える34社が参加し、MONETと自治体の取り組みについての説明からスタートした。

具体的には、オンデマンドバスの実証実験などを実施する「豊田市小原地区」や「横浜市旭区若葉台」「福山市服部地区」「北海道安平町」での交通課題や解決の向けた活動を共有し、長野県伊那市での「医療MaaS」の新たな取り組みについても説明された。

後半には、国内最大級の医療産業都市を目指す兵庫県神戸市や最先端テクノロジーを導入して市内全域で均衡した発展を目指す長野県上田市、地域課題を解決すべく新サービスや技術を生むための実証実験を推進する広島県福山市からゲストスピーカーに迎え、各地域が抱える課題やMaaSの推進によって解決したいテーマについて話し合われた。

自治体による講演後には、各社の持つ資産やサービスを活かした提案が有志7社から自治体側へ行われ、思いがけないビジネス展望にもつながったという。

■第4回Meet UP:MaaS新規事業と広告ビジネスのマッシュアップが産み出す可能性は無限大?!

2019年9月11日に行われた第4回Meet UPでは、50社もの企業が参加した。テーマは「新モビリティ時代におけるマーケティング革命」。電通の宮澤由穀氏をメインスピーカーに、ゲストのモビリティサービス専門誌『LIAGARE』の編集長・井上佳三氏によるトークセッションが行われた。参加者には「新モビリティ時代のマーケティングコミュニケーションを考え、MaaSの新規事業開発での広告ビジネスアイディアのヒントを持ち帰る」というゴールが設定された。

前半は新モビリティ時代を見据えた、交通広告や屋外広告など家庭以外の場で触れるメディア(以下OOH)の最新動向や、電通が進めるデジタルOOHやダイナミックデジタルOOH、OOH広告業界での動きなどを宮澤氏が紹介した。

後半は宮澤氏と井上氏のトークセッションで、既存の「追いかける広告」から今後転換していくであろう「待ち伏せする広告」の可能性などについて議論が交わされた。

■【まとめ】参加企業、急速に増加中

設立されて1年も経たないMONETコンソーシアムは参加企業を急速に増やし、Meet UPを積極的に行っている。ここで生まれたアイデアが将来大きな取り組みになっていく可能性もありそうだ。MONETコンソーシアムのMeet UPに要注目だ。


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