いつかは空も渋滞する。気の早い話だが、必ずそうなるはずだ。
空飛ぶクルマと空飛ぶタクシーの実証実験がいずれ始まり、法整備も進む。「ドローン進化型」「自動車進化型」「小型航空機型」のどれが主流になるのかは今は分からないが、人々は最初は憧れから空飛ぶ何かに乗りたがり、そしてその後は利便性の虜になり、空を舞台にした移動が増えていくはずだ。そして空にも「道路」ができ、渋滞はまず局所的に起き始める。
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ただ、まだまだ未来の話だと思われていた。少なくとも自動運転に比べれば、遙かに後の話だと。少なくとも都市部での実証実験が始まるのも2020年代に入ってからで、いまはまだあくまで技術開発の段階である、と。
しかし、少しその見方は誤りだったようだ。ドイツのボロコプターという企業が2019年後半にシンガポールで空飛ぶタクシーの試験飛行を行うことを発表した。恐らく、都市部における試験飛行としては過去に例をみない規模となる。乗客はあの船を支えるようなデザインのマリーナベイ・サンズという高級ホテルを横目に、移動だけではなく、夜景観光も楽しむはずだ。
シンガポールをドイツのボロコプター社が都市型飛行実験の場に選んだのはうなずける。国際会計事務所KPMGが発表した自動運転の普及準備度に関する調査で、シンガポール国民はこの次世代自動車に対する受容度が世界一で、かつ法整備の面でも最も進んだ国だとされた。次世代技術に寛容な国。実に経済大国シンガポールらしい。恐らく、次は香港あたりで、早々に空飛ぶ乗り物の実証実験がスタートするのではないか。
日本でもCartivatorなどが空飛ぶクルマの開発に力を入れている。トヨタ自動車が独自に空飛ぶクルマを開発しているという噂もある。アメリカ、欧州でも同様に空の乗り物に力を入れている企業や団体も多い。ボロコプター社の動きは少なからずこうした動きに影響を与えるはずだ。各社の開発スピードはより加速していく可能性がある。
そうなると空の渋滞が始まるのは、2030年代くらいだろうか。こうしていくら考えても未来予測に過ぎないが、きっと思っているより早く始まるのでしょう。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 30, 2018