空飛ぶクルマ開発のSkyDrive、韓国から最大100億円分の注文獲得か

Solyu Companyから最大50機のプレオーダー



南山ソウルタワー周辺を飛行するイメージ=出典:SkyDriveプレスリリース

空飛ぶクルマの開発などを手がける株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市/代表取締役CEO:福澤知浩)が、また大型契約を受注したようだ。

同社は韓国の航空機リース会社のSolyu Companyと、空飛ぶクルマの商用機「SKYDRIVE」の最大50機のプレオーダーに合意したことを2023年9月15日に発表した。過去の報道によると、SKYDRIVEの初回ロット価格は1機あたり約2億円と言われており、それを基に算出した場合、今回は最大100億円にも上る受注となる。


■空飛ぶクルマが韓国の交通問題を解決?

今回SkyDriveとプレオーダーに合意したSolyuは、韓国ソウルに拠点を置き、eVTOL(電動垂直離着陸機)やeCTOL(electric conventional takeoff and landing)、eSTOL(electric short takeoff and landing)などのゼロエミッション航空機のリース事業を手掛けている企業だ。

現在、韓国では首都圏での深刻な交通渋滞が問題になっている。そのため同国政府は、「韓国都市型航空交通」(Korean Urban Air Traffic:K-UAM)ロードマップを策定し、移動における時間と社会的費用を70%削減することを目指しているという。また、韓国ではUAM(アーバン・エア・モビリティ)の商用化を実現するための官民共同実証プロジェクト「K-UAMグランドチャレンジ」も推進しており、空のモビリティの採用に積極的だ。

Solyuは、韓国都市型航空交通の実用化には空飛ぶクルマの活用の推進が重要であるとして、今回のプレオーダーに合意するに至ったという。SkyDriveとSolyuは、韓国での空飛ぶクルマ実装のため、政府や運航オペレーター、バーティポート、給電インフラなどのあらゆるステークホルダーと共に協力して進めていくとしている。

【参考】関連記事としては「バーティポートとは?「空飛ぶクルマ」の離着陸場」も参照。


■続々とSKYDRIVEの受注を獲得
出典:SkyDriveプレスリリース

今回プレオーダー契約を結んだ空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(旧機種名:SD-05)」は、3人乗りのコンパクトなeVTOLだ。最大時速100キロ、航続距離は約15キロとされている。日本では2025年に開催される大阪・関西万博での運航開始を予定している。

SkyDriveは、2022年11月にベトナムのディベロッパーであるパシフィックグループから最大100機、2023年に入ってからは4月に日本の大豊産業、7月にベトナムのCTグループの子会社から100機のプレオーダーの合意を得ている。個人向けの受注の獲得実績もある。

また2023年1月には米国市場へ参入することを発表している。サウスカロライナ州に拠点を置き、2026年に同州の主要空港を起点とした商業運航開始を目指している。

■快進撃はまだまだ続く!?

国内だけでなくベトナムや韓国でも受注を獲得しているSkyDrive。同社のミッションである「100年に一度のMobility革命を牽引する」の通り、すでに日本だけでなく世界のエアモビリティ開発におけるトップランナーになりつつある。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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