「フロントキャビン」がない自動運転トラックが近い将来、ドイツの公道を試験的に走行することになりそうだ。
フロントキャビン・・・・・・、つまり「人間が乗る運転席部分」がないトラックを開発しているのは、スウェーデン企業のEinrideだ。同社は運転手がいる自動運転トラックのテストをドイツで行った後、キャビンレスの自動運転トラックの試験にフェーズを移す計画のようだ。
ドイツでは2021年、無人運転車が公道で走行することを可能にする法律案が可決された。現在はまだ制定に向けて必要なプロセスを経ている状況で、Einride幹部は、法律が制定されればキャビンレスの自動運転トラックがドイツ国内を試験走行できるようになるとしている。
■「自動運転レベル4」の水準か
Einrideが開発しているキャビンレスの自動運転トラックを、同社は「Pod」と名付けている。Podの車体デザインは以下の通りだ。
トラックの前方部分に窓がなく、人間が乗って前方を見ながら運転することが前提とされていないことがよく分かる。ちなみにPodには、カメラやレーダー、LiDARなどが搭載されている。
走行は自動運転で行い、遠隔管制センターからPodの運転を監視する形での運用が想定されているという。車内で全く人間の支援・サポートを必要としないことから、「自動運転レベル4」(高度運転自動化)の水準を目指していると考えて差し支えないだろう。
ちなみに最高時速は20キロと低速に抑えられている。最高速度を低めにすることで、万が一事故が起きた際の重大度を低減させようとしていると考えられる。
■米国でも事業を展開、テスト認可を取得
Einrideは母国のスウェーデンのほか、米国でも事業を展開している。すでに2022年初旬にPodをアメリカ国内でテストするための認可を受けており、同社のパートナーであるGeneral Electric Appliancesとともに、テネシー州セルマーで実証実験を開始する見込みだ。
まだアジアで試験するといった計画は同社から聞かれないが、いずれ日本や中国での展開を計画している可能性も十分にあり得りえそうだ。
【参考】関連記事としては「「運転席なし」の自動運転トラック、米当局が初の許可」も参照。