2025年に開催される予定の「大阪・関西万博」に向け、各省庁が取り組む「アクションプラン」の案が、このほどまとめられた。自動運転ラボとして注目したいのが、モビリティ分野における取り組みの内容だ。具体的には以下の6つの項目が案に盛り込まれた。
- 次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(経済産業省)、空⾶ぶクルマの実現に向けた環境整備の推進(国⼟交通省)
- ⾃動配送ロボットのサービス提供(経済産業省)
- ロボットフレンドリーな環境の実現(経済産業省)
- 電動⾞の活⽤拡⼤(環境省・国⼟交通省)
- MaaSなどの新たなモビリティサービスの推進(国⼟交通省)
- ⾃動運転の⼀層の推進(デジタル庁、内閣府、警察庁、総務省、経済産業省、国⼟交通省)
■空飛ぶクルマ関連(経済産業省・国土交通省)
大阪・関西万博は、スマートモビリティによって新たな移動体験を提供することをミッションの1つに掲げている。その中でも「空飛ぶクルマ」は、遊覧飛行や2地点間の移動で活用される予定で、万博で大きな注目を集めるのは間違いない。
アクションプラン案によれば、経済産業省が2022年度からドローンや空⾶ぶクルマの運航管理に関する研究開発を進め、2023年度から実証実験をスタートさせるという。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?いつ実現?必要な技術は?」も参照。
■自動配送ロボット関連(経済産業省)
「自動配送ロボット」に関しては、会場内のデリバリーなどのサービスで活用されるという。会場の利便性向上につなげ、ロボットの活躍ぶりを世界に発信することが目的だ。
会場では、ロボットが活躍しやすい「ロボットフレンドリー」な環境の構築にも重点を置く。さまざまなメーカーのロボットがエレベーターや自動ドアを使いこなすためには必要な視点だ。
ちなみにアクションプラン案では、ソフトバンクのロボットの画像が挿入されている。ソフトバンクは2021年4月から本社が入居するオフィスビルで、自律走行型配送ロボットを使用してセブン‐イレブンの商品を配送する実証実験を行っていることで知られる。
【参考】関連記事としては「「高層ビル×直営コンビニ」、自動運転宅配の普及で最有力!」も参照。
■MaaS関連(国⼟交通省)
「MaaS」(Mobility as a Service)領域においては、大阪・関西万博における「シームレスな移動」を実現することを目指す。
万博では、空飛ぶクルマに代表されるスマートモビリティだけでなく、鉄道やバス、タクシー、飛行機といった公共交通機関の利用も想定される。その他、カーシェアやシェアサイクル、超小型モビリティも活用される予定だ。
これら複数の移動手段のほか、観光や物流、医療なども含めて組み合わせ、検索・予約・決済を1つのMaaSサービスで提供できるようにする計画だ。
【参考】関連記事としては「MaaS解説(2021年最新版)」も参照。
■「自動運転」関連の具体的な取り組みにも注目
アクションプラン案では「自動運転」にも触れられているが、今のところは「官⺠ITS構想・ロードマップに基づき、官⺠連携して必要な技術開発や交通インフラの整備、制度整備等を進める」と記載されるに留まっており、いずれ具体的な内容が発表されるとみられる。
策定されたアクションプラン案は以下から参照できる。
▼2025年⼤阪・関⻄万博アクションプランVer.1
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/42528/00000000/actionplan_ver.1.pdf
【参考】関連記事としては「万博が「クアトロイノベーション」の場に!自動運転、空飛ぶ車、MaaS、電動キックボード」も参照。