新型コロナウイルスが収束後は長期にわたる自粛の反動により、空港利用者が爆増すると予測できる。空港スタッフは多忙を極めることとなり、これを契機に自動運転が可能な空港ロボットを導入しようという動きが加速しそうだ。
つまりコロナ禍が収束して数年後には、かなりの数の自動運転が可能なロボットが空港内をうろうろしているかもしれない。
■清掃や警備、案内、手荷物搬送で活躍
空港で導入される自動運転ロボットとしては、清掃ロボットや警備ロボット、案内ロボット、預かった手荷物を飛行機まで搬送するロボットなどが挙げられる。すでに日本を含む世界の空港では、こうしたロボットの導入事例がある。
例えば韓国の仁川空港では空港利用者を案内するガイドロボット、ロンドンのヒースロー空港では空港内の消毒を担うロボット、アメリカのシンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港では清掃ロボット、日本の成田空港では自律走行の警備ロボットが導入されている。
このほか、車椅子型の自動運転パーソナルモビリティの活躍も本格的に始まりそうだ。羽田空港では2020年6月、世界で初めて人搬送用途での自動運転パーソナルモビリティが導入された。開発したのは日本企業のWHILLだ。
■2021〜2027年の年平均成長率は17%
ちなみに市場調査レポートプロバイダーのReport Oceanは2021年9月、世界の空港ロボット市場に関する最新レポートを紹介した。
このレポートによれば、2020年の世界の空港ロボット市場は5億6,415万ドル(約626億円)と算出され、2021年から2027年までのCAGR(年平均成長率)は17%と予測されている。
レポートによれば、電子機器や自動車の製造が盛んな中国や韓国で空港ロボットの導入が特に進んでおり、2021年から2027年における空港ロボット市場は、アジア太平洋地域が最大のシェアを誇ることになると予測している。
■未来の空港の光景はどのように変わる?
コロナ禍が収束したあと、旅行需要は爆発的に伸びる。いまは空港ロボットの多くがまだ高価な状況だが、これから安価で高性能なロボットが多く登場すれば、空港での導入に弾みがつく。これから数年後、もしくは10年後の空港の光景がどう変わっているか、注目したい。
【参考】関連記事としては「空港で世界初!羽田に自動運転パーソナルモビリティ WHILLが開発」も参照。