名古屋大学発のAIスタートアップ企業である株式会社オプティマインド(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:松下健)は2019年10月25日までに、事業開発段階の「シリーズA」の調達ラウンドで、トヨタ自動車などから総額約10億1300万円の資金調達を行ったことを発表した。
オプティマインドは2018年9月に「ラストワンマイル」のルート最適化を目的とした「Loogia(ルージア)」をローンチし、配送業界が人手不足などの課題を抱える中、持続可能な配送システムの開発に取り組んでいる。
今回調達した資金は、プロダクトの開発体制の強化や人材の獲得と育成、マーケティング施策の拡充に充て、事業の成長スピードを加速させつつ、これまで培ったルート最適化技術の知見を活かし、MaaS領域への参画も本格化させたい考えだ。
今回の資金調達はトヨタをリードインベスターとし、MTG Venturesと「KDDI Open Innovation Fund 3号」(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)、他1社から行った。
■新人でもベテラン並みの配送ができることを目指すLoogia
ラストワンマイルにおける配送現場では日々担当者が最適ルートを組んでいるが、膨大な数のルートから最適な配送ルートを導き出すのは人の手によっては困難だ。オプティマインドのLoogiaは「メタヒューリスティクス」と呼ばれる手法を用いてこの問題を解消する。
ぐちゃぐちゃなルートから始まり、少しずつ良いルートを探して変形させ、最終的に全体を回る綺麗なルートが出るように計算を行い、天文学的な数のルートから短時間で良いルートを見つけられる。Loogiaの計算は名古屋大学の最先端研究に基づいており、顧客から寄せられた現場の声をもとに日々改良を続けている。
■オプティマインドが求める人材とは?!
AIを活用してルート最適化技術を開発しているオプティマインド。同社は現在Loogiaのさらなる強化などに向け、幅広い人材を募集している。具体的には下記のような職種を募集している。
- ルート最適化の根幹を担うアルゴリズム開発エンジニア
- Loogiaのフロントエンドの開発を行うフロントエンジニア
- Loogiaより得られるビッグデータ解析の環境構築を行うデータエンジニア
- Loogiaより得られるビックデータの解析を行うWebエンジニア
- Loogiaの地図エンジン部分のインフラ構築・管理を行うインフラエンジニア
- Loogiaの品質を支えより良いサービスにしていくため、テストケースの設計からテストの実施や自動化などのQA業務行うQAエンジニア
- LoogiaのブランディングからWebサービスのUI/UXまで、誰でも簡単に操作できるシステムのトータルデザインを行うUI/UXデザイナー
- プレイヤーとして新規開拓から実証実験や導入支援まで、エンジニアと協同してソリューション営業を実施しつつ、会社の目標達成に向けて4名の営業チームをマネージメントするセールスマネージャー
詳しくは同社のWantedlyページ「https://www.wantedly.com/companies/optimind/projects」も参照してほしい。AIを活用した最新アルゴリズムの開発に関われるチャンスで、職種によって、「スピード感を持った開発を重視する方」や「新しい技術・成果に対する興奮を楽しめる方」などを求めているという。
■【まとめ】Loogiaがラストワンマイル配送を進化させる
人口減少によるドライバー不足や労働環境の改善、配送業務の効率化に向け、ルート最適化AIのさらなる発展には期待が大きい。今回の大型資金調達でオプティマインドの技術はどこまで飛躍を遂げるのか、これからも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「ラストワンマイル系の物流ソリューション・サービスまとめ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 24, 2019