株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区/代表取締役社長:水越孝)は国内MaaS(Mobility as a Service)市場について調査し、MaaSサービスの分野別の動向と参入企業の動向、将来展望を2019年2月27日までに発表した。
調査によると、2018年の国内MaaS市場規模はMaaSサービス事業者の売上高ベースで845億円が見込まれ、2030年には約75倍に当たる6兆3600億円に達するものと予測される。2016年から2030年のCAGR(年平均成長率)は44.1%で推移するという。
市場調査サイト「業界動向サーチ」によれば、飲食業界の市場規模(2015〜2016年)は4兆8692億円。MaaS市場は2030年には飲食業界を追い抜く規模になるとみられる。
発表によれば、調査の期間は2018年8~12月で、同社の専門研究員によるMaaSサービス関連事業者への直接面談や電話・電子メールなどによるヒアリング、文献調査を併用して実施した。
■トヨタと西鉄の「マイルート」、本格的なMaaSサービスになる可能性
また発表では、日本初の本格的なMaaSサービスになる可能性があるものとして、「my route(マイルート)」がピックアップされた。
マイルートはトヨタ自動車と西日本鉄道が共同で立ち上げた事業で、バスや鉄道、地下鉄などの公共交通とタクシーやレンタカー、自家用車、自転車や徒歩などを組み合わせたルート検索と、必要に応じて予約・決済まで行えるサービスだ。
複数の交通事業者をつなげるマルチモーダルモビリティとして機能する点などに加え、福岡市の店舗やイベント情報などと連携できることから、同社は「地域限定とはいえ、本格的なMaaSサービスになる可能性が高いものと考える」としている。
2018年11月より福岡市で始まった実証実験では8事業者・団体が参加しており、駐車場予約アプリ「Akippa」やメルカリグループのシェアサイクルサービス「メルチャリ」、タクシー配車会社「JapanTaxi」のほか、お出かけ情報サイト「いこーよ 」やレジャー予約サイト「asoview!」などが協力した。
【参考】関連記事としては「MaaSとは? 読み方や意味・仕組み、サービス・導入事例まとめ|自動運転ラボ」も参照。
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