インテル自動運転車が赤信号を無視した瞬間 現地TVが公開

傘下モービルアイ、トランスミッター原因?



米半導体大手インテルの傘下で自動運転開発事業を手掛けるイスラエルのモービルアイ社が2018年5月17日、自動車の完全自動運転化分野への参入を華々しく正式に発表した。しかしその日、モービルアイ社がイスラエル国内で実施した報道機関向けのプロトタイプ自動運転車発表の場で、ある騒動が起こった。

モービルアイ社の自動運転車が赤信号を無視してしまったのだ。


モービルアイ社の自動運転車は試験走行に出発したあと、自動運転車がガレージに戻る約400メートル手前の片側2車線の道路で赤信号を無視し、横断歩道に進入して直進した。幸いなことに事故にはならず、けが人はでていない。

赤信号を無視したモービルアイ社の自動運転車には、イスラエルの二大民放局の一つである「Channnel 10」のテレビクルーが同乗し、カメラで走行映像を撮影していた。当時の様子は同放送局のTwitterアカウントにて公開されている。映像には横断歩道を渡ろうとしている女性の姿も映っており、状況によっては事故につながった可能性もある。

プレス発表という特殊な環境が要因?

同社の最高経営責任者(CEO)であるAmnon Shashua氏によれば、事件の要因はプレス発表という特殊な環境によって引き起こされたようだ。

Amnon Shasshua氏は米ブルームバーグ誌の取材に対して、テレビクルーが持ち込んだカメラに搭載されていたワイヤレストランスミッターがシステムに干渉し、信号から発せられるシグナルの受信を阻害したとことが原因と説明している。

米半導体大手インテルは2017年8月、153億ドル(当時レートで約1兆7000億円)でのモービルアイ社の買収を完了している。2018年5月17日には欧州に拠点を置く自動車メーカーの車両800万台にモービルアイ社の自動運転技術を提供する大型の契約を獲得するなど、自動運転業界における注目が急速に高まっている。


【参考】インテル傘下モービルアイ社の巨大契約獲得については「米インテル、自動運転技術で800万台分の巨大契約獲得 欧州メーカーに提供へ|自動運転ラボ 」も参照。

インテル社はこのほか、モービルアイ社の自動運転技術を実装した自動運転レベル3(条件付運転自動化)相当の車両10万台を、2019年末までに市場投入する計画も立てている。


関連記事