過去最高赤字の米Uber、自動運転部門の採用凍結だけは見送る

ライドシェアは将来消えゆく運命?



ウーバーのダラ・コスロシャヒCEO=出典:Ecole polytechnique / Flickr (CC BY-SA 2.0)

ライドシェア最大手のウーバー・テクノロジーズがアメリカとカナダで新たな技術系人材の採用を当面凍結するという計画が、2019年8月12日までに明らかになった。自動運転ラボとしては、この採用凍結計画において「自動運転車部門」が凍結対象から除外されたことに注目したい。

ハイテク人材の採用凍結は、ウーバーが2019年4〜6月期の連結決算で過去最高の赤字額(52億4000万ドル)を計上したことに端を発するものだ。


ウーバーはこの決算発表後、マーケティング職の従業員1200人の約3分の1にあたる400人をレイオフ(一時解雇)する計画も計画している。今回明らかになった技術系人材の採用凍結に関する計画も、コスト削減によって、IPO(新規株式公開)後に不調続きの株価の推移を何とか好転させたいという狙いがある。

ただ今回の凍結計画では、自動運転車部門は含めなかった。その理由ははっきりと明言されていないが、自動運転市場の将来的な可能性を考慮したためとみられる。

ウーバーの現在の主力事業であるライドシェアは、いずれ自動運転タクシーに取って代わられるとみられている。自動運転タクシーは人件費が掛からない分、運賃はタクシーの10分の1になるという予測もあり、自動運転タクシーに対する支持は将来的にライドシェアを超えるようになるはずだ。


そんな将来を見越し、ウーバーは自動運転車部門の凍結だけはしなかったのではないだろうか。目先の株価よりも将来可能性を重視した——。この見方は恐らく、当たらずといえでも遠からず、なはずだ。


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