日本では少子高齢化による人口減少が本格化し、高齢者の運転免許返納も年々増加している。そのため地方では運転者不足が深刻化し、乗合バス事業の収支も赤字状態で公共交通の維持が困難となっている。こうした状況を受け、国や地方自治体はこうした課題をどのように解決しようとしているのか。
国土交通省の基本的な考え方は下記の3つに集約される。
- 地域ごとに、バス・タクシーの労働力確保とサービス維持を図りながら、サービスが不足する地域では、その他の移動手段を総動員して移動ニーズに対応する。
- その際、MaaS、AIによる配車、自動運転などの最新技術を活用して、高齢者や外国人旅行者を含む幅広い利用者に使いやすいサービスの提供を促進する。
- 上記について、地方公共団体が中心となって取り組める制度を充実・強化していく。
こうした考え方を具現化するため、現在は交通政策審議会でさまざまな枠組みや法改正などを検討中だ。例えば、地方公共団体が輸送サービスや移動手段を主体的に充実させていけるよう、「地域公共交通活性化再生法」の改正を検討している。
また、さまざまな交通手段が一つのプラットフォームに統合される「MaaS」が普及すれば移動の利便性が高まることから、国はMaaSの実証実験を積極的に支援している。現在19地域で実証実験に関する取り組みが進んでいるという。
こうした内容は国土交通省が2019年11月22日に公表した「地域公共交通・MaaSをめぐる取組について」という資料に詳しく書かれている。興味がある人はぜひご覧になってみてはいかがだろうか。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。