ITD Lab、資金調達が総額6.3億円に 自動運転で活躍するステレオカメラ開発

富士エレクトロ二クスが出資



自動運転レベル4(高度運転自動化)やレベル5(完全運転自動化)にも対応できる超高性能なステレオカメラの開発とライセンス販売を手がけるITD Lab株式会社(本社 : 神奈川県横浜市/代表
取締役会長:実吉敬二、代表取締役社長:紫垣卓男)は2019年2月7日までに、富士エレクトロ二クス株式会社 (本社:東京都文京区/代表取締役社長:小野寺真一) を引き受け先として第三者割当増資を行い、資金調達を実施したと発表した。


資金調達は2019年1月18日付。富士エレクトロニクスはITD Labと高性能ステレオカメラ技術の販売代理店契約を締結しており、富士エレクトロニクスグループ会社が進めるMaaS事業や「AI(人工知能)+IoT」事業と連携した次世代アプリケーションの開発とシステム・ソリューション提案に活用されている。

今回の資金調達を踏まえ、これでITD Lab社は総額6.3億円の資金調達を行なった事となる。前回の資金調達は2018年5月に行われ、ニッセイ・キャピタル株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、ミナトホールディングス株式会社、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の4社を引き受け先として第三者割当増資を行なわれた。

■高価なLiDARを必要とせずに

ITD LabのステレオカメラはSAD(Sum of Absolute Difference)方式を採用し、広く採用されるSGM(Semi Global Matching)方式に比べアルゴリズムを簡素化できる上、コンピューターパワーも節約できる。結果、毎秒60〜160フレームの超高速処理を行いながらシステム全体のコストやサイズ、消費電力を大幅に抑えた。物体の輪郭もハッキリと捉えることが可能で、高価なLiDARを必要とせず衝突防止や自動運転のシステムを組むことも可能だ。

同社の代表取締役会長である実吉氏はスバル・アイサイトで使用されるステレオカメラの発明者であり、開発はこれまでの経験を活かす形で行われている。会社は2016年5月に設立されてから創業3年目を迎えており、自動運転業界での存在感は高まる一方だ。




関連記事