アメリカの自動運転領域では、スピンオフ企業のWaymoを抱えるGoogleや、自動運転子会社Cruiseで開発を続けるGM、そしてイーロン・マスク氏が率いるテスラの存在感が強い印象だが、フォードもここで負けるわけには当然いかない。
そんな中でフォードがこのほど、カーシェアリング事業を展開する米Zipcarの元最高経営責任者(CEO)であるScott Griffit氏を雇用し、フォードの自動運転プロジェクトの幹部に据えていたことが明らかになった。
Zipcarはカーシェア事業を展開しながら将来的には自動運転車の活用を視野したビジネスを模索しており、フォードはこうした知見を有するGriffit氏を獲得することで、自社開発する自動運転車を活用したビジネス戦略の策定に一層力を入れていきたい考えとみられる。
フォードは2021年には自動運転技術を搭載したロボカーを市場投入するという目標を立てている。こうした目標を実現するために、2023年までに40億ドル(約4300億円)の投資を行うことも過去に明らかにしており、Griffit氏はこのプロジェクトを推進する上での大きな戦力となりそうだ。
自動運転技術の開発はいま世界で本格化しているが、技術開発に加えてサービス設計なども重要なテーマとして各社が既に位置付け始めている。Waymoはいち早く自動運転タクシーを商用化しており、アメリカだけではなく中国や日本でも関連する動きは顕著だ。
今後は技術開発の人材だけではなく、自動運転車のマネタイズを見据えてサービス設計などに長けた人材の獲得競争も過熱していきそうだ。
【参考】関連記事としては「フォードの自動運転戦略まとめ 開発状況は?実現はいつから?」も参照。