国土交通省によれば、日本全国における渋滞による経済損失は年間で12兆円にも上るという。この渋滞を緩和させるために有効な手段の一つが「オンデマンドバス」だとされている。需要が高まるときに効率的に運用されるようになれば、移動需要の総量は変わらなくても、結果的に一定期間における走行車両数はトータルで減ることになるからだ。
こうしたメリットがあるオンデマンドバスの実証実験は、最近各地で活発に行われつつある。住友商事も2019年8月27日、本社に勤務する全従業員3500人を対象にしたオンデマンドバスサービスの実証実験を同月下旬から開始すると発表している。もちろん冒頭で触れたように、交通渋滞の緩和に寄与することも目的の一つだ。
住友商事の実証実験では、取引先やグループ企業、駅などへ移動する従業員にオンデマンドバスを利用させ、利用した従業員などからの聞き取りなどを通じ、利便性や効率性、事業性などを検証していくようだ。
住友商事はオンデマンドバス導入の従業員側のメリットとして「スマートフォンを通じて、乗車時間や乗降場所を臨機応変に選択でき、従来必要であった事後の交通費精算の手続きからも解放されます」と説明しており、一方で企業側のメリットとしては「従業員の移動手段を一元化して管理工数を減らし、従業員が共同利用することで交通費削減の効果が期待されます」としている。
実証実験は住友商事グループから出資を受けているスタートアップ企業も参加する。駐車場予約アプリを展開するakippa社はオンデマンドバスが利用可能な駐車場を提供し、コネクテッドカー事業を手掛けるスマートドライブは運行管理体制の構築で協力する。
【参考】関連記事としては「住友商事、米Bell社と提携 空飛ぶタクシー分野に参入」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) April 5, 2019