半導体大手で自動運転関連事業も手掛ける米NVIDIAが2019年5月19日までに、公式ブログに新たに記事を投稿し、自動運転車両で使用されているセンサーについて解説している。
NVIDIAはまず自動運転車両が人間を上回る精度で運行するためには、人間を超える「目」が必要になると述べている。自動運転車の目となる主要センサーとして「カメラ」「レーダー」「LiDAR(ライダー)」の3つを挙げ、それぞれの特徴をまとめている。
記事の目次
■カメラ:物体認識は得意だが天候不良には弱い
自動運転車両は、周囲を360度カバーするために車体の前後左右に複数のカメラを搭載する。死角をなくすために広い画角を持つカメラから、遠くを撮影するために狭い画角のカメラまで、さまざまなタイプのカメラを搭載している。
カメラは歩行者や障害物などの物体を正確にとらえることができるが、正確な距離を検出するのは難しい。また、雨や夜間といった視界が悪い状況では物体検知が難しくなるという弱点もある。
■レーダー:物体の距離と速度を検知するが、高度な自動運転には未対応
レーダーセンサーはパルス状の電波を発射し、物体に当たって跳ね返ってきた電波で対象物の速度や距離などを検知する。船舶や航空機分野では昔から使われている技術で、カメラと組みあわせることで、現在普及が進んでいる自動運転レベル2(部分運転自動化)以下のシステムにも使われている
■LiDAR:高度な3D検知が可能だが、低コスト化が課題
人間が運転の主体となるレベル2以下の自動運転技術はカメラとレーダーで十分対応可能だが、システムが主体となる自動運転レベル3(条件付き運転自動化)以上の実現にはLiDARセンサーが必要だと言われている。
LiDARはレーダーの電波を光に置き換えたセンサーのことで、周囲の物体を立体的に認識できるのが特徴だ。道路の形状や周囲の自動車、歩行者などを3Dで把握することができるため、安全性の向上が可能になる。
高性能なLiDARセンサーは自動運転車両に2〜3カ所設置すれば十分な効果があるという。しかし、カメラやレーダーなどと比べると10倍以上の費用がかかり、自動運転の実用化に向けて低コスト化が求められている。
■【まとめ】各センサーを組み合わせた活用が重要になる
自動運転車両は、カメラ、レーダー、LiDARの3つのセンサーを組み合わせ、情報を統合して瞬時に判断することが重要だという。1種類のセンサーに頼るのではなく、複数のデータを融合することが、信頼性の確保につながる。
【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転の最重要コアセンサーまとめ LiDAR、ミリ波レーダ、カメラ」も参照。
【最新版】自動運転の最重要コアセンサーまとめ LiDAR、ミリ波レーダ、カメラ https://t.co/nv22gd0lr8 @jidountenlabさんから
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) August 29, 2018