車載カメラは2.6倍、LiDARは3倍 2024年の市場規模、自動運転実用化が追い風に

富士キメラ総研が発表



マーケティング事業を展開する富士キメラ総研(本社:東京都中央区/代表取締役社長:田中一志)は2019年5月9日までに、「2019 イメージング&センシング関連市場総調査」をまとめ、自動車やモバイルなどの分野で需要が増加している光学機器市場の調査結果と今後の予測を公表している。


自動運転分野においても、車載カメラやLiDARセンサーをはじめとする光学デバイスは重要な部品だ。既に実用化され普及が進んでいる自動運転レベル2(部分運転自動化)相当のADAS(先進運転支援システム)にも活用されるほか、レベル3以上の高度な自動運転の実現には必要不可欠とされている。

こうした「イメージング&センシング関連部品・デバイス」の世界市場調査では、2018年の市場規模は7兆1363億円で前年比110%の成長となった。特に光学ユニットでは車載用ユニットが高い成長率を見せ、自動運転分野の活発化がうかがえる。

発表資料によれば、2024年の予測市場規模は10兆円を超え、2017年比で162%成長するという。その中でも注目市場として、車載カメラモジュールとLiDARセンサーの2分野を取り上げている。

■車載カメラモジュールは車両1台当たりの搭載数が増加傾向

ドライブレコーダーを除く、自動車に搭載するカメラモジュールを対象とした市場調査では2018年の市場規模は2958億円で、前年比114%成長している。自動運転への対応や、安全性能向上のための需要が高まっているという。


市場が拡大した背景としては、以前はバックモニターやフロントのみの搭載が多かったがサイドカメラなど車両1台当たりのカメラ搭載数が増えていることが挙げられる。自動運転の実用化にあたり、広い認知範囲を確保する広角カメラや三眼カメラなどの普及も進んでいて、今後市場は拡大し続ける予測だ。2024年の市場規模は2017年比2.6倍の6740億円になるという。

■LiDAR市場は自動運転が普及する2022年から成長

「自動運転の目」とも呼ばれ、自動運転システムに必要不可欠なコアセンサーであるLiDARは、2018年の市場規模は669億円で前年比108%の成長となった。調査対象となったのは水平方向のみ認識する2D-LiDARと水平・垂直方向を認識する3D -LiDARの2種類だ。

現在市場の大部分を占めているのはロボット掃除機や鉄道分野などに使われる2D-LiDARだが、自動運転の本格的な運用が始まる2022年以降は3D-LiDARの普及が期待できるという。2024年の予測では2017年比3倍の1850億円まで市場規模が成長する予測だ。

【参考】関連記事としては「自動運転市場、2030年には451倍に成長 2.2兆円規模に 富士キメラ総研が予想」も参照。



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