西日本鉄道株式会社(本社:福岡県福岡市/取締役社長執行役員:倉富純男)が中型自動運転バスの無料体験試乗を2020年11月11〜29日まで実施した。それに伴い、特設サイトでは「バーチャル試乗」が可能なYouTube動画が公開されている。
この記事では、筆者が実際にバーチャル試乗してみて感じたことなどを、動画内の字幕説明などの内容とともに時系列で紹介する。ちなみに以下が西日本鉄道が公開しているYouTube動画だ。
試乗会はJR朽網駅から北九州空港までの片道10.5キロのルートで行われた。「自動運転レベル2」での走行で、運転席には乗務員が座り、いつでも運転が代われる態勢を保った状態で行われた。
■バーチャル試乗・時系列ドキュメント
0:45ごろ 乗務員が手元のボタンを押すと、自動でハンドルが動き、バスが出発した。乗務員は何かあった際に迅速に対応できるよう、常時ハンドルに手を添えている。乗務員は2人おり、運転席に座る人と、運転席の左側で横断歩道や右左折時の安全確認をする人がいる。
1:43ごろ バスは前方に車が停車しているのを確認すると自動で停止した。その後、前方の車が再び走り出すのを確認すると、自動で出発した。
運転席の乗務員の手元にあるモニター右上には、バスが自動運転中なのか手動モードなのかを示す表示がある。モニターの上真ん中にはバスの走行速度が表示される。
事前に目標速度を登録しておけば運転時には目標速度に合わせて走行するよう調整されるようだ。前の車との車間距離も表示され、一定の距離を保ちながら停車できるよう設定されている。アクセルとブレーキ、ハンドルの状態を示すメーターもある。
6:00ごろ 信号待ち。モニター下中央には信号に近づくと信号情報が表示され、現在の信号の色と残り何秒で変わるかが分かる。
14:38ごろ バス停での停車もスムーズ。その後、後方の安全をしっかり確認してから発車。
17:41ごろ 時速50キロの速さで走行する場面も。橋の上や下り坂のカーブでも安定して走行する様子が印象的。北九州空港の指定のバス停で無事停止し、バーチャル試乗は終了した。
■ベテラン運転士の走行データも事前に学習
自動運転バスが実際に公道を走行する前に、ベテラン運転士の運転データをシステムに学ばせたようだ。信号で停車する際のブレーキのタイミングやカーブする際のハンドル操作など、乗り心地を意識した運転をできるようにするためだ。
そしてその後、GPS(全地球測位システム)や磁気マーカー、デジタル地図を活用して自車位置を把握しつつ、センサーでほかの車両や通行人などを確認しながら、自動運転バスが今回公道を走行したわけだ。
バーチャル試乗でも結構本当に自動運転バスに乗っているような気分になれる。丁寧な説明つきの動画なので、気になる人はぜひ動画を視聴してみてはいかがだろうか。
【参考】関連記事としては「西日本鉄道、中型自動運転バスの実証開始へ 信号と無線通信、交差点での危険予測も」も参照。