「自動配送ロボット」と言えば、国内産ではZMPやパナソニックなどの取り組みが知られているが、その新たなライバルとなるロボットの開発が始まった。
東大発ベンチャーのTRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区/代表:大澤琢真)は2021年4月5日までに、階段や段差などに対する走破性を重視したラストワンマイル向け自動配送ロボットの開発をスタートさせたことを発表した。
開発する自動搬送ロボットは、グリップ力のあるタイヤを使った四輪駆動式で、歩道走行中に軽微な段差があっても乗り上げることが可能だという。また、今後は階段の昇降に対応できる4脚歩行の「犬型ロボット」の開発にも力を入れていく予定だという。
■日本国内における自動配送ロボット
ベンチャー企業ではZMPやティアフォーが開発
冒頭でも触れたが、日本国内ではすでに複数の企業が自動配送ロボットの開発・製造を行っている。その急先鋒は自動運転ベンチャーZMPの「DeliRo」で、すでに実用化の域に達し、各社の実証実験でも盛んに採用されている。
2020年5月にはマップ作成や実証実験をセットにした商用プログラムもスタートし、屋内や屋外、商業施設など、さまざまな場所での導入が今後広がっていくことが予想される。
ベンチャー企業では、自動運転OSを開発するティアフォーも、公道走行に対応した小型自動搬送ロボット「Logiee S1」を開発している。前後にLiDARを搭載し、遠隔監視・操縦機能も搭載している。
また、「ホリエモン」ことで堀江貴文氏がアドバイザーであることでも知られる宮崎県のHakobotも自動配送ロボットの開発を進めている。
大手企業ではパナソニックの存在感が強い
パナソニックは国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の事業のもと、自動走行ロボットの技術開発に本格着手したことを2020年9月に発表した。そして同年11月から神奈川県藤沢市で小型低速ロボットを使った住宅街向け配送サービスの実証実験を開始している。
2021年3〜4月にかけて実施中の西友と楽天の実証実験でも、パナソニック製の自動配送ロボットが活用されている。
【参考】関連記事としては「重たい米もOK!楽天&西友、パナ製自動配送ロボで国内初サービス」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 9, 2021
■【まとめ】今後は海外展開を視野に入れた動きも
国内での自動配送ロボットの開発も盛んになってきているが、最近では海外の自動配送ロボットも日本に上陸しつつある。例えば、香港のスタートアップRice Roboricsが開発した「RICE」だ。日本郵便の実証実験で活用されている。
こうした中、いずれは「海外→日本」だけではなく「日本→海外」への動きも徐々に盛んになってくるはずだ。自動配送ロボットの開発企業が増える中、海外でも存在感を高める日の丸自動配送ロボットが出てくるか、注目したい。
【参考】関連記事としては「香港からの「黒船」、自律走行ロボ「RICE」が国内上陸!どんなロボット?」も参照。