米EV(電気自動車)メーカーのテスラ。自動車産業専門の調査会社であるFOURINの調査報告書によると、2020年には販売50万台到達が視野に入っている状況だ。
何度かの経営危機を乗り越え、CASEにおける「自動運転(A)」でも「電動化(E)」でも存在感を高めているテスラ。最近の動きは?
■通年黒字が見えてきたテスラ
EV専門メーカーとしてスタートしたテスラは、2008年に創立以来、常に平坦な道のりを歩んできたわけではない。特に2017年から2018年にかけては、「モデル3」の量産の遅れやリコールなどがあり株式の非公開化などもささやかれ、「経営危機」が報じられていた。
しかし2020年に入ると状況が一転、良いニュースが多くなる。他の自動車メーカーが新型コロナウイルスの影響を受けて業績を落としている一方で、テスラは独自のオンラインシステムを介した営業により、世界各国で新車販売台数が好調となっている。
時価総額でトヨタを抜いて自動車メーカーで世界トップになったことも記憶にも新しい。2020年第3四半期(7〜9月)の売上高は前年同期比39.2%増の87億7,100万ドル(約9,200億円)と過去最高で、最終損益も5四半期連続の黒字となっており、通年黒字も見えてきた。
■黒字化がマスク氏の「発言」を現実化する!?
テスラは自動運転技術においてもニュースを提供し続けている。テスラが有料オプションとして顧客提供している完全自動運転向けソフトウェア「FSD(Full Self Drive)」のβ版の提供が、2020年10月から提供が始まった。
ただ、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、先走った発言が比較的多いことで知られる。例えば、2020年内に100万台規模のネットワークの自動運転タクシーサービスを開始すると過去に豪語している。ただ2020年11月現在ではそのサービスを開始したという発表はない。
しかしテスラが通年黒字を達成し、より自動運転技術の研究開発に資金をつぎ込めるようになれば、同社の自動運転ソフトウェアはさらなるスピード感で進化していくことになる。「販売50万台突破」というトピックスはこうしたテスラの将来を予感させる。
【参考】関連記事としては「自動運転、テスラ(Tesla)の戦略まとめ スマート・サモン機能導入!ロボタクシー構想も」も参照。