自動運転タクシー「収益化は極めて厳しい」 米論文、競争激化で

将来、車両価格の低下が供給過多を招く?



自動運転タクシー事業の収益化は極めて難しい——。アメリカの研究者2人がゲーム理論モデルを使い、こうした研究結果を論文で発表した。自動運転タクシーは人件費を劇的に削減できるのに、どうしてこのような結論に至ったのだろうか。







■事業者間の「競争」が激しくことが要因

こうした研究結果を発表したのは、UCLAアンダーソン経営大学院のAuyon Siddiq准教授とカリフォルニア大学バークレー校のTerry Taylor教授。簡単に言えば、自動運転タクシーを展開する事業者間の「競争」が激しくなることで、収益化が極めて難しくなってくるという。

例えば自動運転タクシー用車両はいずれ価格が安くなることが予想されるが、価格が安くなると台数を多く投入する事業者が多数登場するという。つまりこうしたことによって、自動運転タクシーが供給過多になってしまうということのようだ。

自動運転タクシー車両が供給過多になれば、客の奪い合いの果てに値下げ競争が起きる可能性が高い。両氏はこうしたさまざまな変数を考慮してゲーム理論モデルで研究を進めたところ、マネタイズを果たすのはかなり難易度が高いと結論を出したという。

■個人所有の自動運転車を活用する方法がベスト?

一方、個人所有の自動運転車を活用する方法は、利益を生みやすいという。

両氏の研究結果が正しければ、将来的に自動運転タクシーは企業が事業展開するものではなく、自動運転車を保有している個人が空き時間にサイドビジネスとして展開するのが主流になるかもしれない。

いずれにしても、自動運転タクシーはアメリカや中国ですでに商用サービスが始まり、現在は採算を度外視して展開されているが、徐々にマネタイズに向けた動きも本格化してくる。そして事業者も増えていけば、両氏の理論が正しかったのか、結論が出ることになるだろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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