車載スマートディスプレイ市場、2027年に1.8兆円規模!自動運転時代にはさらに拡大

国内企業による開発競争も盛んに



出典:グローバルインフォメーション社プレスリリース

アメリカインドに拠点を持つ民間調査会社のKBV Researchは2021年9月7日までに、市場調査レポート「自動車用スマートディスプレイの世界市場 – 業界分析と予測:2021年〜2027年」を作成し、このほど発売が開始された。

レポートを発売する日本のグローバルインフォメーションによれば、このレポートでは自動車用スマートディスプレイの市場規模について、2021〜2027年にかけてCAGR(年平均成長率)6%で成長し、2027年には164億ドル(約1.8兆円)に達すると予想されているという。


市場拡大の要因としては、高級車やプレミアムカーにおける需要が増えることが挙げられている。ちなみにディスプレイサイズを「5インチ未満」「5~10インチ」「10インチ以上」に分類する場合、2020年は「5~10インチ」が最大シェアを獲得する結果となったという。

■自動運転時代の到来で市場規模はさらに

さらに長期的な視点でみれば、車を運転する必要がなくなる自動運転時代の到来も、自動車用スマートディスプレイの市場拡大に寄与しそうだ。

運転していた時間がそのまま「可処分時間」となり、運転手だった人が車内で映像コンテンツや情報コンテンツを楽しめるようになるからだ。

このように、車載用スマートディスプレイ市場は大きな成長が期待されることから、国内企業もシェア争いを優位に進めようと、製品開発や技術開発に力を入れている。


■SMKやNISSHA、ACCESSなどが事業展開

例えば電子メーカーのSMKは、ガラスセンサーを用いた静電容量方式タッチパネルを開発した。センターインフォメーションディスプレイやメーターパネルでの利用が想定されている。従来のフィルムセンサーに比べ、ガラスセンサーは視認性に優れているという。

出典:SMKプレスリリース

スマートディスプレイへのコンテンツ配信サービスに注力している企業もある。ACCESSだ。自動運転時代を見据え、さまざまなコンテンツを配信するプラットフォームをすでに構築していることで知られる。

■【まとめ】今後も国内企業の動向に注目を

自動車の進化に伴い、スマートディスプレイ市場が大きく成長することが予想されている中、今後も国内企業の動向は気になるところだ。引き続き、各社のスマートディスプレイの開発状況やコンテンツ配信サービスの展開状況に注目していきたい。

【参考】関連記事としては「ACCESSがガチで目指す「車中エンタメ王」の座 自動運転時代見据え、協業・提携・買収と続々」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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