半導体大手のルネサスエレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区/代表取締役社長:柴田英利)は2021年1月20日までに、米Microsoftとコネクテッドカー開発において協業したことを発表した。
Microsoftのモビリティ業界向けプラットフォーム「Microsoft Connected Vehicle Platform(MCVP)」の開発環境として、ルネサスの車載用SoC(システム・オン・チップ)「R-Car」を搭載した「R-Carスタータキット」を利用できるようになるという。
■ソフトウェア実装の課題の早期発見が可能に
MCVPは、クラウドサービスやAI(人工知能)、エッジサービスのプラットフォームとパートナーエコシステムを組み合わせたプラットフォームで、車両のプロビジョニングや双方向のネットワーク接続、機能の継続的なOTA(Over The Air)などのソリューション開発に役立つ。
このMCVPの開発環境でR-Carスタータキットが使えることになり、ルネサスエレクトロニクスは「クラウド上やパソコン上で開発したソフトウェアをR-Car SoCに搭載し、自動車や各種モビリティの組み込み環境で事前検証することが可能になります」としている。
これにより、コネクテッドカー開発における実装上の課題の早期発見が可能となり、開発が効率化されるという。
■自動運転分野で攻勢、海外企業との取り組みも積極的
ルネサスエレクトロニクスは、これまでも自動運転領域において数々の取り組みを行なってきた。
2019年には、自動運転システムの開発を加速させる「認識用クイックスタートソフトウェア」や、深層学習を活用して物体認識を行うADAS(先進運転支援システム)向け車載スマートカメラ用のソリューション提供を開始した。
さらに2020年12月には中国の第一汽車集団有限公司と、中国国内においてインテリジェント運転開発プラットフォームの共同研究所を設立したことを発表したほか、1チップで自動運転のメインプロセッシングが実現可能だという「R-Car V3U」も発表している。
今回のMicrosoftとの協業を含め、海外企業との取り組みを積極的に進めるルネサスエレクトロニクスの取り組みに引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「日の丸ルネサス、自動運転に注力!第一汽車との研究所設立、新チップ発表」も参照。