パイオニア子会社PSSI、マレーシアで「5G自動運転」の実証に参加

5G環境下で3D-LiDARセンサーを活用



パイオニアの連結子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役社長:高木晴彦)=PSSI=は2020年2月9日までに、シンガポールの自動運転関連スタートアップ企業MooVitaのマレーシア現地法人「eMoovit」とともに、1月からマレーシアで次世代通信規格「5G」回線を用いた自動運転の実証実験に参加していることを発表した。

同実証実験は、限定エリア(クダ州ランカウイ島のペランギビーチリゾート&スパ周辺)内で、5G回線経由でデータの送受信を行う4人乗りの自動運転シャトルバスを運行するといったものだ。この運行はマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が国内6州で開催する「5Gデモンストレーションプロジェクト」の一部となる。


PSSIの「3D-LiDAR センサー」が搭載された自動運転シャトルバス=出典:パイオニアプレスリリース

パイオニアは2018年からシンガポールのMooVitaと自動運転レベル4(高度運転自動化)のサービス商用化を目指し、PSSIの「3D-LiDARセンサー」を用いた実証実験を実施している。同センサーはレーザー光を照射することで対象物までの正確な距離を測定し、周辺環境を検知できる能力を有している。

同社は今後も東南アジア地域をはじめ、自動運転関連のサービスやソリューションのグローバル展開を意欲的に進めていくとみられる。

■「データエコシステム」の構築にも取り組むPSSI

PSSIは、パイオニアの自動運転関連事業を承継する企業として2019年10月にパイオニア子会社として設立されたばかりの企業だ。主に自動運転技術を支える3D-LiDARセンサーと自動運転用地図の開発を行っている。

また、3D-LiDARセンサーと自動運転用地図の技術を組み合わせた自動運転用のクラウドシステム「データエコシステム」の構築にも取り組んでいる。データエコシステムを構築することで、自動運転車が最新の自動運転用地図を低コストで維持できるようにするというものだ。


欧州地図大手の蘭HERE Technologiesとの共同研究で今後のグローバル展開も視野に入れ、開発に取り組んでいる。


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