トヨタが4億ドル(約440億円)出資する中国スタートアップのPony.aiが、米カリフォルニア州でEC企業の米Yamibuyと組み、自動運転車両を使った配送サービスに着手し始めたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大を防止する無人ソリューションとして注目を集めている。
サービスをローンチしたのは、カリフォルニア州のアーバイン。Pony.aiの広報担当者によれば、1日で500〜700個の荷物を配送できるという。このサービスのためにPony.aiは自動運転車両を10台程度導入しているようだ。
仕組みとしては、顧客から注文が入ると自動運転車がYamibuyの倉庫に荷物を取りにいき、その後、注文してくれた人の場所に向かうようだ。車両が到着すると注文者に連絡がいき、注文者は車両の中から荷物を受け取る形だという。
■Pony.ai、公道試験中止後に今回のサービスローンチ
Pony.aiは、自動運転タクシーの商用サービスを世界で初めて開始したGoogle系ウェイモのライバルとされている企業だ。創業者のJames Peng氏とTiancheng Lou氏は、過去に中国企業の百度(バイドゥ)やGoogleで技術職として働いていた経歴がある。
Pony.aiはいまは中国に拠点を置くが、元々はカリフォルニア州で創業した企業で、2017年からカリフォルニア州で公道実証を始め、2018年には中国・広州で自動運転タクシーの実証実験を開始している。
2019年11月からはカリフォルニア州アーバインでヒュンダイとともに自動運転タクシー「BotRide」の試験運用を開始したが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、取り組みを中止していた。今回の自動運転車を使ったデリバリーサービスは、その中止の後に始めたものだ。
【参考】関連記事としては「自動運転業界、スピンアウト系スタートアップが躍進 Aeva、Aurora、Pony.ai、Zoox、Kodiak…」も参照。
■感染拡大防止に自動運転技術が活躍
医薬品や検体の搬送、消毒液の散布…。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、自動運転技術を活用した取り組みが注目を集めるようになっている。
自動運転ラボはこれまでにもこうした取り組みを取り上げている。各ニュースは「タグ:新型コロナウイルス|自動運転ラボ」から確認してほしい。
【参考】関連記事としては「トヨタ、自動運転スタートアップの中国Pony.aiに4億ドル出資 その狙いは?」も参照。