Preferred Networks、建築現場用ロボ向けに自律移動システムを開発

日本に数少ないユニコーン企業、鹿島建設と共同で



出典:Preferred Networksプレスリリース

AIベンチャーの株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区/代表取締役CEO:西川徹)は2021年3月9日までに、大手ゼネコンの鹿島建設と共同で、建築現場で使用するロボットのための自律移動システム「iNoh(アイノー)」を開発したと発表した。

iNohを実装したAI清掃ロボット「raccoon(ラクーン)」も開発し、首都圏の建築現場ですでに導入が始まった。報道発表によれば、巡回ロボットや資材搬送ロボットにもiNohを今後搭載させていきたい考えのようだ。







また、iNohを建設現場以外で活躍する産業ロボット向けに展開することも視野に入れているという。

■センサーデータなどを統合し、非GNSS環境でも自律移動

Preferred Networksと鹿島建設は2019年に共同研究を開始し、現場画像や3Dデータ、図面情報などを収集してシステムに深層学習させつつ、コスト面も加味した実用的なセンサー構成の検討も進め、現場での実証実験を重ねてきた。

自律移動は非GNSS(全球測位衛星システム)環境でも可能だ。魚眼カメラやLiDAR、IMU(慣性計測装置)などによるデータを統合し、3次元空間のマッピングデータを活用しながらリアルタイムで自己位置を認識できるからだ。

また、システムが取得した画像データを深層学習させることで、立ち入り禁止エリアや作業員なども正確に認識することができ、建設現場ロボットを安全に自律走行させることも可能だという。

■日本に数少ないユニコーンの取り組みに注目

2014年設立のPreferred Networksはユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)であり、トヨタ自動車やみずほ銀行などから資金調達している。推定時価総額は2020年10月時点で約3,600億円(約33億ドル)とされている。

モビリティ関連の取り組みとしては、2014年からトヨタ自動車と共同で、自動運転やコネクテッドカーに欠かせない物体認識技術や車両情報解析を研究している。

民間調査会社のCBインサイツによれば、ユニコーン企業は世界で556社あるが日本企業は4社にとどまる。日の丸ユニコーンであるPreferred Networksが自律移動・自動運転の分野で今後どのように事業を進展させていくのか、注目していきたいところだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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