自動運転技術を活用した無人配送車の開発を手掛ける米Nuro(ニューロ)は2021年6月23日までに、物流大手の米FedEx(フェデックス)と提携し、小包配送の試験を開始したことを発表した。
FedExとの配送試験では、Nuroが独自開発した「R2」が使用されている。R2は人が乗るスペースが存在しない無人配送車で、同社が実用化した第2世代の無人配送車だ。
試験での使用台数は明らかにされていないが、すでにテキサス州ヒューストンで配送実験を開始しているという。
■ラストマイル配送で業界を牽引するNuro
2016年にGoogleの自動運転チームで活躍していた2人が創業したNuro。同社は自動走行車を使ったラストマイル配達において、ここ数年、業界を牽引している。
Nuroは2018年からスーパーチェーン大手のクローガーと提携、2019年にはドミノ・ピザや小売大手のウォルマートと提携して配送実証を開始しており、無人配送車を使った配送サービスの商用化に向け、一層ギアを上げている印象だ。
さらに2020年5月には、ドラッグストア大手のCVSファーマシーとタッグを組み、医療品やヘルスケア用品の配達にもチャレンジの幅を広げている。
そして新型コロナウイルス感染症がアメリカ国内で猛威を振るっていたころは、「コンタクトレス」という強みを持つ無人配送に注目が集まり、Nuroの名前は全米で広く知られることとなった。
【参考】関連記事としては「莫大な投資利益の可能性!自動搬送宅配ロボットを開発するNuroの全貌(ソフトバンク×自動運転・MaaS 特集)」も参照。
■ビジョンファンドやウーブンキャピタルが出資
Nuroは特に資金面で日本企業とも馴染みが深い。2019年2月にはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が総額9億4,000万ドルを出資し、2021年3月にはトヨタの投資ファンド「ウーブン・キャピタル」がNuroに対する出資を発表している。
自動運転関連企業の上場が続く中、Nuroに関してはまだ上場に関する情報はないが、上場することが決まれば多くの投資家から注目を集めること間違いないだろう。
【参考】関連記事としては「トヨタのWoven Capital、第1号投資案件はNuro!自動配送ロボット開発の米スタートアップ」も参照。