米Nuroの低速自動運転デリバリー専用車に、初の公道走行許可

米NHTSAが認可、ビジョンファンドが出資





出典:Nuro公式ブログ

アメリカで自動運転車を使ったデリバリー事業の商用化に向け、大きな動きがあった。米道路交通安全局(NHTSA)は2020年2月10日までに、自動運転関連事業を手掛ける米スタートアップ企業のNuro(ニューロ)に対し、人の運転を想定していない低速自動運転宅配車の公道走行を認める決定をした。

NHTSAが認可を与えたのは同社が独自に開発する自動運転車両「R2」だ。この車両は商品や料理の配達に特化した車体デザインをしており、人が座る場所などがそもそも設けられていない。そのためもちろん、ハンドルやブレーキなどのペダル類やミラーなどもない。







NuroのR2は、「自動運転の目」と呼ばれるLiDAR(ライダー)センサーやカメラなどの搭載によって障害物を避けながら走行できるよう設計されている。そしてトラブルなども想定し、遠隔操作が可能な機能などが備わっているようだ。

■ビジョンファンドが1000億円を出資

Nuroの設立は2016年で、Google系ウェイモ出身のエンジニアが創業者だ。2018年には米スーパーマーケット大手のクローガー社と無人配達の実証実証を始めたことで、一躍脚光を浴びる存在となっていた。

同社に関しては、ソフトバンクグループの孫正義氏が主導する2兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)が、2019年に9億4000万ドル(約1030億円)を出資したことでも知られる。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドは米ウーバー・テクノロジーズにも出資していることから、将来的にはNuroの開発車両がウーバーの料理配達サービス「ウーバーイーツ」にも活用されるのでは、と予想されている。

■社会実装のハードルが低い「低速自動運転車」

今回のポイントは、認可を出したのが「低速自動運転車」であるという点だ。低速であれば公道を走行中に仮に人と接触しても負傷の度合いが少なく済むことが予想され、自動運転技術の社会実装はこうした車両でいち早く進むことが予想される。

EC(電子商取引)市場が拡大する中、無人配達に対する物流業界や小売業界の期待感は大きい。自動運転車両を使えば輸送コストをかなり抑えられ、低価格の商品を1個から自宅まで宅配しても採算がとれるようになれば、よりEC市場の拡大も見込めるだろう。

日本の過疎地などにおける「買い物難民」の課題の緩和にもつながる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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