自動運転は目前!?トヨタLEXUS、新型NXの高度運転支援技術は?

リモート駐車機能やデジタルキー機能も搭載



出典:トヨタプレスリリース

トヨタは2021年10月、次世代レクサスの幕開けを象徴する第1弾モデルとして新型「NX」の発売を発表した。電動化ビジョンのもとレクサス初のPHEVを導入し、HEVとともに電動車の普及を加速させていく方針だ。

ADAS(先進運転支援システム)においては最新の「Lexus Safety System +」を搭載するほか、デジタルキーやリモート駐車機能など、先端技術の粋をつくした仕様となっている。







この記事では、ADAS機能を中心に新型NXの各機能に迫っていく。

■新型NXの概要

新型NXは、PHEV(プラグインハイブリッドカー)をはじめ大容量バッテリーを搭載したHEV(ハイブリッドカー)、新開発の2.4L直列4気筒ターボエンジン、2.5L直列4気筒自然吸気エンジンなど、全6種類のパワートレーンをラインアップし、11月以降に全国発売する予定だ。注文や生産状況により、納車まで半年待ちとなる場合もあるようだ。

価格は、PHEV仕様の「NX450h+ version L」が714万円から、HEV仕様の「NX350h version L」が608万円から、最も安いNX250が455万円からとなっている。

ADASは最新の「Lexus Safety System +」をはじめ、「Lexus Teammate Advanced Park」を搭載している。ミリ波レーダーや単眼カメラの検知範囲はいっそう拡大し、各機能の性能向上や新機能が追加されている。

高速道路などでハンズオフ運転を可能にする「Advanced Drive」の搭載は見送られたようだが、負けず劣らず高度な技術で強力に運転支援を行ってくれるようだ。

マルチメディアシステムやコネクテッドサービスも全面刷新

マルチメディアシステムやコネクテッドサービスも全面刷新された。クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクテッドナビを採用しており、従来の車載ナビとコネクテッドナビを組み合わせたハイブリッド型のナビゲーションシステムを活用できる。

音声認識機能は、ステアリングのトークスイッチ操作による起動に加え、ディスプレイのマイクアイコン操作や音声による起動を可能にしている。「Hey Lexus!」など、あらかじめ設定した起動ワードで音声認識機能を使用できるようだ。

スマートフォン連携では、従来のアプリ「LEXUS smartG-Link」を刷新した「My LEXUS」を新開発し、クルマの燃料残量や走行距離の確認、乗車前にエアコンを作動させるリモートエアコン機能、充電・給電状況の確認などの各機能を利用できる。

ソフトウェアは無線通信で更新するOTAアップデート機能を採用しており、マルチメディアやLexus Safety System +のほかメーターなどの周辺機器も対象とし、表示内容や操作性の改善、新機能の追加や性能向上などを行うことができる。

出典:トヨタプレスリリース
■Lexus Safety System +の各機能
プリクラッシュセーフティ(PCS)

出合い頭による交差点衝突回避支援をレクサス車で初採用した。交差点で交差する車両や、右折時に前方から来る対向直進車、右左折時に前方から接近する横断歩行者や自転車運転者との衝突回避を支援する。

また、オートバイや車線逸脱してきた対向車、夜間の自転車運転者などにも支援対象を拡大しており、システムが衝突する可能性が高いと判断した際は、警報やブレーキを作動させてドライバーに注意を促す。

フロントクロストラフィックアラート(FCTA)

低速で交差点に進入する際に左右から接近する車両を検知すると、カラーヘッドアップディスプレイで接近車両の方向をアニメーションで表示し、ドライバーに注意喚起を行う。車両が接近しているにもかかわらず、ドライバーが発進しようとしているとシステムが判断した場合は表示やブザーで減速を促す。

緊急時操舵支援

ドライバーの操舵をきっかけに車線内でアシストする緊急時操舵支援に加え、衝突の危険性が高いと判断した際に衝突被害軽減ブレーキと操舵制御を行うアクティブ操舵支援を行う。

レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)

追い越しシーンにおけるウィンカー操作に応じた予備加速時をはじめ、変更先の車線に自車のセット車速よりも遅く走行する先行車がいる場合に予備減速を行う。

また、前方のカーブを検知する性能も向上し、カーブの大きさに合わせてより早く減速することで、ドライバーの感覚に寄り添ったカーブ速度抑制機能へ進化を遂げている。

レーンディパーチャーアラート(LDA)

電柱や縁石、ガードレール、パイロン、連続ポールなどの構造物までシステムの支援対象を拡大できるよう性能が向上している。また、構造物に対する作動車速を低車速域まで拡大することで、一般道で発生しやすい事故の被害軽減も図る。

レーントレーシングアシスト(LTA)

車線認識性能を向上し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現した。隣接車線の走行車両の追い抜きや路外の構造物との距離が近いシーンなどにおいて、走路中央よりも回避側にトレース位置をオフセットし、ドライバーと協調した制御を行う。

ドライバー異常時対応システム

レーントレーシングアシスト制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音と表示と緩減速でドライバーに操作を促すほか、ハザードやホーンなどで車外に異常を知らせながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援する。停車後は、ドア解錠や「ヘルプネット」による救命要請も行う。

異常検知は、ステアリングに踏査されたモニタリングカメラがドライバーの姿勢が崩れるなど体調の急変を検知した場合に作動する。また、ドライバーの顔の向きや眼の閉眼状態、視線などを検知し、居眠り防止に向け警告音や表示で注意喚起を行う機能も備えている。

レーンチェンジアシスト(LCA)

高速道路や自動車専用道路などで、レーントレーシングアシスト作動中にドライバーがウィンカー操作を行うと、レーンチェンジのための操舵や車線変更先車両監視の支援を行う。

ロードサインアシスト(RSA)

従来の「最高速度」や「はみ出し通行禁止」、「車両進入禁止」、「一時停止」に加え、「転回禁止」の標識表示や「赤信号」の告知にも対応している。

プロアクティブドライビングアシスト(PDA)

「歩行者の横断」や「飛び出し」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、危険に近づきすぎないよう運転操作をサポートする。さらに、先行車や前方のカーブに対して減速操作をサポートし、頻繁な踏みかえ操作を軽減することで、一般道などのシーンでドライバーの運転に寄り添ったサポートも行う。

■このほかの先進機能
高度運転支援技術「アドバンストパーク」

従来から支援可能なシーンを拡大し、並列駐車シーンにおける前向き駐車やバック出庫、前向き出庫も新たに可能にした。

また、車外からスマートキーを携帯したドライバーが専用のスマートフォンアプリを操作することで、遠隔操作による並列・縦列駐車や出庫を可能にした。遠隔操作は、並列・縦列入庫と前後移動、並列・直進・縦列出庫、メモリ連携に対応している。

なお、リモート操作ではあるものの自動運転機能ではなく、あくまで運転を支援する機能のため、ドライバーが責任を持って周囲の状況を把握する必要がある。

出典:トヨタプレスリリース
デジタルキー

専用のスマートフォンアプリにより、スマートフォンをスマートキー・デジタルキーとして使用する機能も搭載された。従来のスマートキー同様、スマートフォンを携帯するだけで一切の操作なしでドアのロックやアンロック、エンジンスタートを行うことができる。

所有するデジタルキーに対応した車が複数ある場合、1台のスマートフォンで操作することが可能なほか、スマートフォン間でデジタルキーの受け渡しを行うことも可能なため、家族や友人間で車両の貸し借りを行うこともできる。

安心降車アシストや発進遅れ告知機能なども

降車時、周囲の自転車などをブラインドスポットモニターセンサーで検知し、注意喚起するとともにドア開放を制御する「安心降車アシスト」機能や、従来の先行車に加え、自車先頭時においても信号の停止表示と連動し発進を促す「発進遅れ告知機能」なども備えている。

■【まとめ】最新技術はレクサスブランドで始まる

高度運転支援技術「Advanced Drive」を搭載した新型LS同様、NXも着実に進化を遂げている印象だ。こうした車両に搭載された最新技術は、やや遅れて低価格帯の車両にも普及していく。つまり、数年先のスタンダードを先取りしているのだ。

LiDARなどセンサー類の強化が必須となるが、こうした進歩の先に「自動運転」が存在する。レベル3の実用化を急がないトヨタにおいても、自ずと自動運転の実装が近付いてくるのだ。そして、LSやNXの技術はレベル3に限りなく近づいているものと思われる。レベル3実装もそう遠くない将来実現するだろう。

最先端技術は基本的にレクサスブランドが先行する。引き続きモデルチェンジ情報なども要チェックだ。

【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略とは?「e-Pallete」が戦略の軸」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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