米サビオークの自動運転宅配ロボ「Relay(リレイ)」、オフィスビルで活躍!

エレベーターも制御可能、ホテルでも導入進む





出典:Savioke社プレスキット

人口減社会の日本でいま「宅配」や「配達」の担い手として、自律走行(自動運転)ロボットに注目が集まっており、日本国内でも実証実験が積極的に実施されるようになっている。新型コロナウイルス対策という観点でも、こうした「コンタクトレス配送(非接触配送)」に対する期待は大きい。

実証実験の舞台はオフィスやホテルなどだ。オフィスでコーヒーを、ホテルで料理を頼むと、宅配ロボットが届けてくれる——。そんなことが当たり前の時代が確実に将来やってくると考えられている。







中でも注目のロボットが米サビオーク(Savioke)社が開発する「Relay(リレイ)」だ。不動産大手・森トラストのオフィスビルで活用されたことで一躍注目を浴びるようになり、2019年はNECの中核企業が出資したことでも関心を集めた。

この記事では「自動運転×宅配」に秘める可能性と、サビオーク社が絡むこれまでのニュースを紹介していこう。

■「自動運転×宅配」に秘める可能性

将来的に普及すると考えられている無人宅配サービス。こうした宅配サービスでは必ず自動運転ロボットが必要となり、日本国内でもロボットベンチャーのZMPや堀江貴文氏がアドバイザーを務めるHakobotなどが開発に取り組んでいる。

自動運転技術はさまざまな分野で活用が見込まれているが、特に小さな荷物の宅配や配送を担う小型ロボットはいち早く実用化が進むと言われている。クルマと違って人が乗ることを前提としていないことや、小型で低速走行あれば仮に人とぶつかったときも大けがに至りにくいからだ。

そして宅配ロボットが活躍するフィールドがオフィスビル内やホテル内だと、さらに実用化が容易だ。こうした場所は「私有地」の中であり、公道ではない。そのため国の法整備を待たずに導入することが可能だからだ。

【参考】関連記事としては「自動運転、マネタイズは「ビルの中」から 宅配ロボの需要」も参照。

■サビオーク社の自動走行デリバリーロボット「Relay」とは?

2013年に米シリコンバレーで設立されたサビオーク社は、サービスロボットを開発・展開しているスタートアップ企業だ。Googleのコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)であるGV(旧グーグル・ベンチャーズ)もサビオークを後押ししていることで知られている。

2014年にRelayの販売を開始し、2015年にサンフランシスコで開催された開発者会議「インテルディベロッパーフォーラム」では、登壇したインテルCEO(最高経営責任者)にRelayがソフトドリンクを届けたことで注目を集めた。

出典:Savioke社プレスキット

Relayは、高さ92センチ、幅51センチ、重さが約40キロで、上面の蓋を開けると格納スペースが用意されている。格納スペースは縦26センチ、横22センチ、深さ37センチで、容量21リットル。重さは4.5キロまで対応可能となっている。連続走行時間は4時間で、自律走行で充電スポットに戻っていくことも特徴の1つに数えられる。

人に圧迫感や恐怖感を感じさせないスタイリッシュさも特徴で、ホテルなどのエレベーターで人と出会っても親しみを感じさせるようにデザインされているという。機能としては、センサーマッピングによる自走やエレベーターを自ら制御して階移動などが可能で、障害物を回避しながら指定された場所まで安全に品物を届けることができる。

アメリカでは既にホテルやオフィスなどで導入実績が多く、大手ホテルチェーンのインター・コンチネンタルも一部ホテルで活用中だ。宅配ロボットであれば、ホテルの客室の中までものを届ける際にゲストのプライバシーが守られ、宿泊者にとっても宅配ロボットの導入は歓迎される。

物流施設や病院などの医療施設での導入も進んでいる。特に新型コロナウイルスの感染拡大が起きてからは、Relayに対する注目度はより高まっている。

■NECグループ企業がサビオーク社に出資

NECグループでネットワークインテグレーションとサポートを行うNECネッツエスアイ株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役執行役員社長:牛島祐之)は2018年7月、「ネッツ・イノベーション・ベンチャー有限責任事業組合」ファンドを通じて、サビオーク社に出資した。

Relayは2017年7月、日本で初めて品川プリンスホテルで運用が開始されているが、この導入に必要なインフラ構築や運用、メンテナンスなどもNECネッツエスアイが提供しているという。

NECネッツエスアイはサビオーク社との連携を強化し、介護や医療業界、製造業など新しい市場への展開を目指していくという。

■森トラストのビルでコーヒーの宅配サービスも

Relayをオフィスビルで活用しているのは森トラスト株式会社(本社:東京都港区/社長:伊達美和子)だ。

森トラストは2018年、投資総額200億円の「新イノベーション投資戦略」の一環としてサビオーク社に出資している。そして2019年1月から、東京・神谷町の「城山トラストタワー」でRelayを使ったデリバリーサービスを開始した。

このデリバリーサービスでは、同ビルのオフィスで働く人がスマートフォンアプリで注文と決済を行うと、Relayが1階カフェからエレベーターで移動し、注文者がいるオフィスの出入り口までコーヒーなどの商品を届けてくれるというものだ。

出典:森トラストプレスリリース
■【まとめ】宅配ロボが自動運転車に対するアクセプタンスも高める

技術商社の株式会社マクニカ(本社:横浜市港北区/代表取締役社長:中島潔)もこのRelayの導入に取り組んでおり、既に「渋谷ストリームエクセルホテル東急」や「新宿ワシントンホテル」で導入されている。

自動運転技術を活用したこうしたロボットは今後、宿泊業界以外での導入も進んでいく。そうしてこうしたロボットの普及が自動運転技術を社会に認知させていき、将来的には自動運転車に対するアクセプタンス(社会受容性)の向上にもつながっていくことも期待される。

【参考】関連記事としては「ラストワンマイル向けの物流・配送ロボット10選」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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