LiDAR開発の有望企業とされている米Cepton Technologies(セプトン・テクノロジーズ)が、日本事業を拡大させている。長距離・高解像度のLiDARで評判の高い同社は小糸製作所からも資金調達を行い、新しいカントリー・マネージャーを任命して日本国内販売も強化している。
■セプトンとはどのような企業?
セプトンは2016年に設立され、自動運転やADAS、高度道路交通システム(ITS)、スマートスペース、産業用ロボットなど、さまざまな市場向けのLiDARソリューションを提供している。
同社が持つ特許取得済みのMMT(低摩擦マイクロモーションテクノロジー)ベースのLiDARテクノロジーは、レーザースキャンの方式に画期的な技術を持っており、ミラーレス、非回転式で機械的な磨耗がなく、耐久性に優れている。また長距離・高解像度の高い品質と、費用対効果の高い価格帯であることで話題になっている。
現在では米シリコンバレーにある本社の他にドイツ、カナダ、英国、日本、インドに拠点を置き、グローバルに急拡大を続けている。
同社は2020年10月開催の「名古屋オートモーティブワールド」で最先端のLiDARを展示すると発表し、注目を集めた。特に新たにリリースした「Vista-X90」は「コンパクト」「低価格」「高解像度」という特徴を有しており、大衆車向けにも適した製品であると言える。
■小糸製作所から投資を受け、日本事業を加速
セプトン社は、日本市場での需要が増加していることから、日本向けの事業を拡大させている。
2020年2月には、以前からLiDARの共同開発を行ってきた自動車用照明製造大手の小糸製作所から5,000万ドル(約53億円)の出資を受け、小糸製作所の自動車照明器技術と組み合わせたランプの実用化や、LiDARの量産化に向けた開発を加速させている。
LiDARは「自動運転の目」と呼ばれ、自動運転に必要不可欠なコアセンサーだ。小糸製作所の出資を得つつ日本市場に本格参入したセプトンの今後に注目していきたい。
【参考】関連記事としては「「自動運転の目」LiDAR内蔵のランプ開発へ 小糸製作所、米Ceptonの株式取得」も参照。