自動運転向けエッジAIの半導体を提供する米Blaizeは2020年11月19日までに、デンソーの子会社で高性能半導体IPの開発・販売を手掛けるエヌエスアイテクスを正規販売代理店として、日本での営業活動を開始することを発表した。
Blaize社は、アメリカの半導体大手インテルやNVIDIAなどで開発に携わったエンジニアが創業したベンチャー企業だ。従業員は約300人で、「GSP」(グラフ・ストリーミング・プロセッサ)と呼ばれるエッジAI向けの専用半導体とソフトウェアを、自動車メーカーや部品メーカーなどに提供している。
Blaizeにはデンソーのほか、独自動車メーカーのダイムラーやカナダの自動車部品大手マグナ、韓国の半導体大手サムスンといった業界のキープレイヤーが出資していることでも知られている。
■自動運転向けエッジAIに求められる能力は?
Blaizeによると、自動運転車に搭載されるようなエッジAIには、幅広く利用されるCPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理半導体)ではなく、消費電力の面でも性能の面でもエッジAIに特化したソリューションが必要になると強調した。
【参考】エッジAIとは、クラウド側ではなくエッジ(導入機器)側に組み込んで利用するAIのことで、自動運転領域において近年需要が高まっている。自動運転では走行判断に高いリアルタイム性が求められるからだ。詳しくは「自動運転に必須の「エッジAI」とは?」の記事も参照。
自動運転に必須の「エッジAI」とは?画像解析で本領発揮、スタートアップも続々参入 https://t.co/dVoeU9x8YT @jidountenlab #自動運転 #AI #エッジAI
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) November 25, 2019
Blaizeのディナカー・ムナガラ最高経営責任者(CEO)は「今日のエッジ・ソリューションは要求に対して計算能力が低すぎるか、あるいはコストがかかり過ぎて製品化が非常に困難かの、いずれかの制約を抱えています」と指摘している。
その上で、「BlaizeのAIエッジ・コンピューティング製品は消費電力、複雑さ、コスト面のこうした制約を克服することによりエッジでのAI採用の可能性を拡げ、データセンタからエッジへのAIコンピューティングの移行を促進します」と述べている。
■Blaize社のエッジAIの日本展開に注目
自動運転業界で需要が高まるエッジAI。それは日本国内でも同じで、エヌエスアイテクスを販売代理店にBlaize社のエッジAIが日本でどのように広がっていくのか、注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転に重要な「エッジAI」開発のエイシング、7億円資金調達」も参照。