センシング技術に強みを持つアルプスアルパインと米半導体大手Qualcommの子会社であるQualcomm Technologiesは2021年2月4日までに、カメラ映像を活用した次世代の自車位置測位システム「ViewPose」を共同開発すると発表した。
ViewPoseは、GNSS(測位衛星システム)の信号が受信しにくいトンネルや屋根のある駐車場などでも「レーンレベルポジショニング」を可能にし、自動運転向けのLiDARセンサーなどより低コストで導入できるようにするという。
報道発表によれば、2024年を目標に新型車への搭載を目指すという。
■国内外の有力企業と積極的に連携
電子部品大手のアルプスアルパインは、近年特に先進モビリティ領域に力を入れている印象だ。例えば2018年1月には、セキュリティ技術を手掛けるフリービット社と、車のオーナー情報や権限をブロックチェーンで管理する「Car Key Platform」を発表している。
2019年10月には、横浜ゴムと乗用車用のタイヤセンサーについて共同開発を進めていることも発表された。タイヤの空気圧検知だけでなく、摩耗検知や路面検知、デジタルツールでデータを処理・管理していくソリューションのビジネス展開を視野に入れてのことだ。
2020年5月には、レーダーセンサー開発を手掛けるスウェーデンのAcconeer社と車載向け次世代センシング技術を共同開発すると発表し、高機能化かつコストパフォーマンスの高いミリ波センサーの開発を進めている。
■「天井大画面ディスプレイ」も発表
2020年10月にオンラインで開催された最先端技術の展示会「CEATEC 2020 ONLINE」では、「天井大画面ディスプレイ」も発表したアルプスアルパイン。完全自動運転時代に向けたソリューションとして大きな注目を集めた。
海外企業とも積極的にタッグを組み、CASE時代のソリューション開発に力を入れる同社の動向に、引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「これが自動運転時代のエンタメ!「天井ディスプレイ」を国内初展示」も参照。