国内でMaaSプラットフォームの開発競争が激化している。MaaS関連のプロジェクトが続々と立ち上がる中で、自社のプラットフォームを採用してもらおうと、開発企業によるアピール合戦が今後活発化していきそうだ。
そんな中、ITソリューションプロバイダの日本システムウエア(NSW)が2021年2月4日までに、モビリティや利用者の動態情報を地図上でリアルタイムに管理・確認できる「NSW-MaaSプラットフォーム」の提供を開始した。
NSW-MaaSプラットフォームは一般車両に限らず、建機や農機などの産業機械でも利用でき、人の動態もスマートフォンの位置情報などを通じて掴むことが可能だという。
公共交通による人の移動を最適化するためには、移動車両やユーザーの位置情報を掴む技術が重要であるため、事業者がMaaSサービスを展開する際にはNSWのプラットフォームが大いに役立ちそうだ。
■MaaSプラットフォームが続々
冒頭触れた通り、MaaSプラットフォームが新たに開発される事例が国内で増えてきた。一言でMaaSプラットフォームといっても、プラットフォームごとに備える機能は異なるが、各社ともにMaaSの普及を見据えて先手先手でシステム開発を進めている点では同じだ。
例えば、トヨタ自動車やソフトバンクなどが出資するMONET Technologiesは2020年、企業や自治体がMaaSを展開する際に活用できる「MONETプラットフォーム」の本格的な運用を開始した。
MONETプラットフォームは、車両データや移動データなどを集約する「データ基盤」と、さまざまなデータやシステムのAPIなどを提供する「MONETマーケットプレイス」を備えており、オンデマンドバスの運行などの際に役立つ。
経路検索大手のジョルダンもマルチモーダル経路検索システム「JRD-COMPASS」を、法人向けにMaaSプラットフォームとして提供している。さまざまな交通機関を横断的に検索可能なシステムで、こちらもMaaSサービスの展開には欠かせない機能だ。
■海外のMaaSプラットフォームの導入事例も
MaaSプラットフォームに関し、国内勢はうかうかしていられない。フィンランド発祥で元祖MaaSアプリと呼ばれる「Whim(ウィム)」のMaaSプラットフォームは、すでに日本を含むさまざまな国で導入事例があり、海外企業もライバルとなるからだ。
そうした中、今後どのMaaSプラットフォームが日本で存在感を高めていくのか、注目したいところだ。
【参考】関連記事としては「三井不動産、日本初のマンション住民向けMaaSサブスク!Whimを導入」も参照。